イオン(千葉県/吉田昭夫社長)傘下で、東京23区と神奈川県を中心に都市型小型食品スーパー(SM)を展開するまいばすけっと(神奈川県)。2020年2月期の売上高は1723億円(対前期比12.1%増)、当期純利益は19億円(同46.7%増)で、17年2月期から4期連続の増収・増益を達成している。21年2月期も、新型コロナウイルスの感染拡大による“特需”で、他のSM企業と同じく好調だ。コロナ禍での取り組みと、今後の戦略について古澤康之社長に聞いた。
コロナ禍で昼間の来店客が増加
──19年度で、4期連続の増収・増益を達成しました。
古澤 11年に当社を設立(まいばすけっと1号店は05年にイオンが開業)以降、15年度までは赤字の時期もありましたが、その間出店数を抑制して売場や品揃え、オペレーションを見直すなど社内体制の拡充に力を注ぎ、16年度からはV字回復しています。新規出店を大幅に増やしており、16年度は40店舗程度でしたが、18年度からは年間約100店舗を出店するようになったことが売上を押し上げています。また、既存店売上高も伸びており、V字回復をし始めた16年度と比較すると、現在は10%以上伸長しています。
──コロナ禍でSM企業は軒並み好業績を収めています。貴社の足元の状況を教えてください。
古澤 19年度は、1店舗の平均日販が58万円ほどでしたが、現在は10%程度伸びています。ほかのSM企業も同様の傾向があると思いますが、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化してきた2~3月頃は、買いだめ需要が高まったことで買い上げ点数が上がったほか、マスクやアルコール消毒液などの衛生関連用品はものすごく売れました。
お客さまが来店する時間帯にも変化がありました。4月に緊急事態宣言が発出され、外出自粛や在宅勤務が奨励されるようになると、通勤・通学の途中で利用していた方などが来店しなくなり早朝や夕夜間の客数が減少する一方、昼間の時間帯に来店する方が増えました。最近では徐々にふつうの生活に戻りつつあるため、朝や夜の客数も回復しつつあります。さらにコロナ禍で増えた昼間の時間帯の客数も落ち込んでおらず、加えてその時間帯の来店客の買い上げ点数は増えているため、売上が大きく伸長しています。
──まいばすけっとは住宅街を中心に出店していますが、一部オフィス街にも店舗を展開しています。都心部立地のコンビニエンスストア(CVS)などはコロナ禍で集客できず苦戦していますが、都市型立地の店舗の状況はいかがでしょうか。
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