[東京 1日 ロイター] – 大手百貨店が1日に発表した3月売上高速報は、前年比で30―40%減と大きく落ち込んだ。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、外出の自粛や臨時休業の影響があったほか、訪日外国人による免税売上高が「ほぼ消滅」した。
「リーマンショック時や東日本大震災を大きく超え、過去最大の減少幅となった」―――。大丸松坂屋百貨店合計で前年比43%減となったJ.フロント リテイリング の広報担当者は話す。
日本百貨店協会によると、東日本大震災時の2011年3月の全国百貨店売上高は14.7%減だった。また、リーマンショック時も、09年5月が12.3%減だったように、10%強のマイナスだった。今回のコロナショックは、比較にならないほどの激しい落ち込みと言える。
高島屋 は36.2%減となったが、特に、新宿店が41.2%減、大阪店が47.4%減と落ち込みが大きくなった。
入国規制の影響を受け、免税売上高も大きく落ち込んだ。大丸松坂屋では97%減、高島屋は92.5%減となった。3月下旬以降はさらに入国規制が厳しくなっており、インバウンドの減少は続くことになる。
3月25日に小池百合子東京都知事が週末の不要不急の外出自粛を要請したことで、臨時休業した影響も出ている。松屋 銀座店は40.7%減となったが、3月2日から実施した時短営業の影響が7%弱、28・29日両日の休業の影響は9%程度あったとしている。
三越伊勢丹ホールディングス は、三越伊勢丹が39.8%減となったものの、食品宅配サービスやECの売り上げは好調に推移しているという。