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中国成長率、第4四半期さらに減速 消費や不動産市場冷え込む

中国の建設現場
1月17日、中国国家統計局が発表した2021年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.0%増加した。伸び率は市場予想を上回ったが、1年半ぶりの低水準となった。2021年10月撮影(2022年 ロイター/Thomas Peter)

[北京 17日 ロイター] – 昨年の中国経済は、輸出をけん引役に目覚ましい回復を遂げ10年ぶりの高成長を達成した。しかし「ゼロコロナ政策」などが重しとなり年末にかけ成長は失速、消費や不動産市場の冷え込みが鮮明で、一段の政策支援が必要なことを示した。

中国国家統計局が17日発表した2021年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.0%増加。伸び率は市場予想を上回ったものの1年半ぶりの低水準となった。

ロイターがまとめたアナリスト予想は3.6%増だった。第3・四半期は4.9%増加していた。

前期比の伸び率は1.6%。アナリスト予想は1.1%、第3・四半期は0.7%に改定された。

21年のGDPは前年比8.1%増で、アナリスト予想(8.0%増)を上回った。

国家統計局の寧吉喆局長は「現段階で中国経済への下押し圧力はなお比較的強く、雇用や所得の伸びが制約されている」と述べた。

消費が低迷し、景気の見通しが悪化。春節休暇を控えて、複数の都市が新型コロナへの警戒を強めている。冬季五輪開幕を控えた北京市では、オミクロン株の市中感染が初めて確認された。

中国人民銀行(中央銀行)はこの日、景気減速に対応し、中期貸出制度(MLF)金利を市場の予想に反して引き下げた。引き下げは2020年4月以来初めて。

エコノミストは今後数カ月で成長がさらに鈍化すると予想する。

キャピタル・エコノミクスはリポートで「新型コロナの流行が続き、不動産市場が低迷する中、景気の勢いは依然として弱い。このため、人民銀行は今年上半期に追加で20ベーシスポイント(bp)の利下げを実施するだろう」と指摘した。

野村は今年一段の金利引き下げ余地は小さいと指摘し、年央までに10bpの追加利下げを予想した。

統計局によると、昨年の本土の出生率は1000人当たり7.52人と、1949年の統計開始以来最低。急速な高齢化を受けて、子どもの数3人まで認めると発表したが少子化に歯止めがかからない。

 

不動産・小売売上高が減速

中国の不動産市場は昨年6月以降、当局による債務圧縮強化を背景に減速してきた。

統計局の発表に基づくロイターの算出によると、12月の不動産投資は前年比13.9%減と、20年初め以来の大幅な落ち込みを記録。統計局が発表した21年通年の不動産投資は4.4%増で、16年以来の小幅な伸びにとどまった。

消費データが軟調だったことも見通しを不透明にしている。12月の小売売上高は前年比1.7%増と20年8月以来の低い伸びとなり、アナリスト予想(3.7%増)を大幅に下回った。11月は3.9%増だった。

華宝信託のエコノミスト、Nie Wen氏は、政府の今年最大の課題は、ゼロコロナ政策の下、経済成長をどのように5─5.5%で安定させるかだと指摘した。

明るい材料は鉱工業生産。12月は前年比4.3%増加し、11月の3.8%増から伸びが加速した。アナリスト予想の3.6%増も上回った。

アルミや石炭の生産、石油精製量は年間で過去最高となった。

1─12月の固定資産投資は前年比4.9%増。アナリスト予想は4.8%増、1─11月は5.2%増だった。

第4・四半期GDP成長率の4分の1以上を純輸出が占めた。21年の中国経済は新型コロナの打撃を受ける諸外国への輸出拡大が大きなけん引役となった。

ただ、輸出の伸びによる成長支援が持続しない可能性もある。外需の急速な伸びが鈍化し、コスト上昇が輸出業者を圧迫する中、輸出は減速傾向を示している。