北陸を地盤に食品スーパー(SM)67店を展開するアルビス(富山県)は売上高1000億円が目前に迫り、近年は中京エリアでも出店を拡大するなどローカルチェーンの枠を超え、リージョナルチェーンに足を踏み入れつつある。ローカル企業のまま成長が止まるSMが多い中、アルビスはなぜリージョナルチェーンに飛躍することができたのか。同社の基本戦略と中長期的な計画について、池田和男社長に聞いた。
──ローカルチェーンからリージョナルチェーンへの脱皮を進めています。
池田 当社は事業エリアを北陸に定めて歩んできたローカルチェーンです。当社の店舗網は北陸3県(富山、石川、福井)以外だと、まだ愛知県2店、岐阜県1店しかありません。リージョナルチェーンと言うよりは、その移行期にあると言ったほうが正しいかもしれません。
元々、当社は「北陸スパー本部」という中小SMが共同仕入れをするボランタリーチェーン(VC)の本部を運営しており、加盟企業数十社に生鮮品や総菜、グロサリーを一括して供給していました。1992年にSM企業のチューリップと合併し、現社名に変更。94年に初めて富山県外の石川県に直営店を出店しました。後にバザールフーズや東京ストアーなど約10社を買収。地域に住む人の食が豊かになり幅が広がることを目的に、考え方が同じ地域SMと一緒になって地元の人にサービスを提供してきました。
そうした背景もあって、当社はどれだけ商勢圏が広がっても、地域の食文化に合わせるローカルスーパーであり続けたいと考えています。
──2019年から中京地区にも出店しています。その背景について教えてください。
池田 当初は
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