中国・四国地方に105店舗を展開するフジ・リテイリング(愛媛県/山口普社長)。2024年3月1日、持ち株会社のフジ(愛媛県/尾﨑英雄社長)が、フジ・リテイリング、マックスバリュ西日本(広島県/平尾健一社長)を吸収合併するかたちで、本社を広島県に移転する。“新生”フジの社長に就任する、フジ・リテイリングの山口普社長に、経営統合後の戦略について聞いた。
24年2月期上期は早期の対策が奏功
──24年2月期の第2四半期は好調な結果となりました。どのように振り返りますか。
山口 当社では早期から、23年度は物価の高騰や生活コストの上昇によりお客さまの消費マインドが冷え込むことを予想していました。また、多くのナショナルブランド(NB)商品の値上げも予定されていたため、22年度下期頃から急ピッチでカテゴリープランの見直しを行いました。カテゴリー内の商品の位置づけを再検討したほか、プロモーション内容も刷新しています。
こうした早期の対策が奏功し、好調な結果に結びつきました。5%の賃上げを行いましたが、既存店売上高がそれをカバーしたことで、営業利益が伸長する結果となりました。今後1つの通過点として営業利益率3%をめざす考えです。
統合後は共通MDをローカライズ
──マックスバリュ西日本との経営統合に向けた、統合作業の進捗状況はいかがですか。
山口 統合委員会を立ち上げ、順調に進んでいます。まず、屋号については現状を維持することに決定しました。フジ、マックスバリュそれぞれの屋号がお客さまから支持を得ている以上、無理に統一するのは得策ではないと考えたのです。ただし、これまでのようにそれぞれの屋号の独自性を追求するわけではなく、共通の販促やオペレーションを展開していきます。
システムなどについては、統合後も両者ともにいったんは今のかたちでスタートしますが、遅くとも2年後には1本化していく計画です。
また、企業文化の融合についても今後進めていく考えです。もちろんマネージャークラス以上の社員はすでにお互いの企業文化についての考えのすり合わせを行っていますが、現場社員レベルではまだ融合を図れていません。統合後、実際に顔を合わせながら意見の交換などを積極的に行っていくことで、新しい企業文化の確立をめざします。
──新会社としてどのような戦略を打ち出していくのでしょうか。
山口 まず、イオングループのリソースを活かし、
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