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データ活用とアウトソース活用によるラウンダーの“営業組織化”で売上を最大化する方法

データ活用とアウトソース活用によるラウンダーの“営業組織化”で売上を最大化する方法

株式会社マックス
代表取締役社長
澤地 正人 氏

 

コロナ禍を経て、原料原油高による値上げ、急激な円安等の環境変化が影響し、流通小売の経営・店舗環境は大きく変化した。店舗に合わせて売り場を最適化し、店頭シェアを拡大していくラウンダー活動においては、単なる売場づくり作業ではなく、個店交渉力・提案力を備えた“営業組織化”が必要不可欠だ。データ活用による戦略的な店頭活動の実現に加え、組織を戦略や施策に合わせて柔軟に変化できるアウトソース活用が重要なポイントとなる。本セミナーでは売上に貢献するラウンダー活動の実現に向けたヒントを提案したい。

ラウンダー活用で店舗売上を最大化

 マックスは、ショッパーを起点として「売れる」をマーケティングする「Shopper Marketing Agency」事業を展開している。核となるのは店舗であり、売り方・売り場を最適化し、売上の最大化に貢献すること。またそこから得られたショッパーや店舗で得た知見や課題などのインサイトを起点にさまざまなソリューションを展開し、ショッパーに対して新たなブランド体験や購買体験の場をつくる。購買関連データの分析による施策効果の検証をしながら、売上を最大化するデータ活動支援をおこなっている。

 マックスは、メーカーの営業担当者に代わって店舗を訪問し、本部決定事項である店頭プロモーション全般を店頭で具現化するラウンダーの提供から運営管理、店頭情報の分析検証までを一括で請負い、店舗売上の最大化を目指している。レギュラーラウンダーは全国で1300人、スポットラウンダーは20,000人体制で、サービスを提供している。

ラウンダーのよくある課題とは

 すでにラウンダーを活用しているのに成果に結びついていないとお悩みの場合、主な課題は4つあげられる。
【ブラックボックス化】 属人化されており可視化できておらず成果が見えない
【お手伝い化】 セールスの手足になっており営業戦略に紐づいた活動にならない
【丸投げ化】 本部商談で決めきれずラウンダーの個店交渉でなんとかしてもらおうとする
【作業部隊化】 セールスと連携した営業組織化がされておらず作業員化してしまう

ラウンダーを「営業組織化」するためのキーワード

 これからの「ラウンダー活動の方向性」としてマックスが提案するのは、ラウンダーを単なる作業員にするのではなく、ラウンダーを営業組織化すること。そこに店舗売上を最大化する鍵があるのではないかと考える。メーカーの立場から見ると、いかに店頭で交渉して発注数を上げたり売り場シェアを拡大するかであり、もちろん日々の営業活動も大事だが、個店で企画を実施しPOSで検証し、トライアルで個店プロモーションしながら、メーカーの営業がバイヤーにフィードバックしながら本部商談していく流れが極めて重要だ。その上で掲げるキーワードは戦略化、データ化、アウトソース化の3つ。いかに体系立てて活動するかがポイントとなる。

 流れを説明すると、まずは営業戦略が整理され、店頭活動を設計する。次に、セールスからラウンダーに向けて月次の指示が出され、ラウンダーは巡回をしながら活動の実績を報告していく。その活動結果を的確に分析することによって進捗管理を行い、結果を検証、レビューをレポートしていく。また、ラウンダーのスキルアップを目指すべく人材育成をしていきながら最終的に個店商談、本部商談をさらに強化していく。
マックスはラウンダーによるデータ活用のため3つの独自システムを提供している。インプットのための「ストアポケット」、分析のための「ストアスコープ」、報告のための「ストアクエリ」。こうしたツールを最大限に活用しながら活動実績をデータベース化して、商談力を強化していく。

コロナ禍ではアウトソーシングするメーカーが増加

 コロナ禍では、ラウンダーをアウトソース化するケースが増えている。自社で雇用したラウンダーの場合、スタッフの新陳代謝の問題、長期スタッフの高齢化・属人化により管理がしにくいなどの課題があったためだ。ラウンダーをアウトソースする最大のメリットは、組織を柔軟に変えることができる点、ラウンダー管理の負荷軽減、他メーカーの知見やインサイトの活用、トータルコストの削減などだ。ラウンダーは作業部隊ではなく、店舗活動と本部商談を連携させ営業組織化することによって売上にしっかり貢献できる。強い組織を作り上げることが重要だ。