上場食品スーパー(SM)の2025年2月期上期決算は、物価高による消費者の節約志向で売上が伸び悩み、価格競争の激化も加わって粗利益率が低下、大手は軒並み減益となった。ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)とアークス(北海道/猫宮一久社長)は増収・減益。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:以下、U.S.M.H)は営業赤字に転落した。
ライフコーポレーション
粗利低下で増収・営業減益ビオラル事業にアクセル
ライフの25年2月期上期業績(連結)は営業収益4218億円(対前年同期比5.4%増)、営業利益122億円(同1.4%減)、経常利益127億円(同1.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益89億円(同4.4%増)と増収・営業減益だった。
営業収益は上期としては最高を更新し、経常利益は減益だったものの計画を上回った。農産、加工・日配、総菜などが好調で、既存店売上高は前年同期から3.3%伸びた。なお。上期では首都圏の売上高が近畿圏を初めて上回った。
粗利益率は30.7%と前年同期から0.4ポイント(pt)悪化した。「お客さまからの評価を基に、品質と価格のバランスを是正し、値ごろ感を訴求した」(岩崎社長)ことで、当初から粗利益率の低下を見込んでいたが、畜産の原料高もあり、計画を0.3pt下回ったかたちだ。
上期中は賃上げやプロセスセンターを製造委託から直接雇用に切り替えたことにより人件費が増加したが、販管費率は31.5%と0.1pt改善している。
上期の新規出店は8店(ライフ6店、ビオラル2店)で、2店を閉店した。3月に単独出店した「ビオラル国立駅前店」(東京都国立市)は売上が計画を8割上回るなど絶好調だという。改装は2店で実施した。
PB売上高は403億円で、PB比率は9.9%と過去最高。「ビオラル」が33%増だったほか、主力の「スマイルライフ」が12%増と好調だった。ネットスーパーの売上高は121億円。既存店を中心に前年同期に比べ3割増えた。通期では250億円をめざす。
上期は生産性の向上にも取り組み、21年から日配品で導入を始めたAI需要予測による自動発注は、生鮮品にも範囲を広げ、ほぼ全店で稼働。電子棚札は首都圏が全店、近畿圏では35店増えて69店に導入している。
可動式什器や売場のストック棚の導入も拡大。従業員1人当たりの売上高は前年同期に比べ3.8%増え、1点単価の伸び(2.3%)を上回った。
下期以降は、
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