イオン(千葉県)傘下のミニストップ(千葉県/藤本明裕社長)は、国内およびベトナム事業での経営改善を図り、黒字化を見据える。2025年2月期は、リアルとオンラインを融合した新しい買物体験を創出することを目的に掲げる「Newコンボストアモデル」において、新たなモデル店舗を出店してより進化させる。加えて、アプリを媒介にOMO(リアル店舗とECの融合)を実現させ、利便性の拡大を図る。
トップバリュ導入で「価値」と「価格」を提供
ミニストップの24年2月期連結決算は、営業総収入が790億5600万円(対前期比2.7%減)で、6億900万円の営業損失となったが、経常利益で1000万円を確保し、5年ぶりの黒字転換となった。ミニストップ単体での営業損失は、3億9400万円と前年から6億4800万円改善が見られた。既存店平均日販は同7000円増の42万1000円だった。藤本明裕社長は「26年2月期までの中期経営計画の初年度として、事業の選択と集中を進め数多くの政策を推進した結果、単体の黒字化も見えてきた」と手応えを語る。
一方、23年2月期下期に黒字化し、連結業績を押し上げたベトナム事業は、24年2月期2億円の減益となった。出店拡大や支援体制の整備などの先行投資により、営業総収入は12億円の増収となったものの、ベトナムの経済環境の変化への対応が遅れた。
24年2月期は、カテゴリーごとに価格競争力を磨き上げた。具体的には、イオングループのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」をはじめとした独自商品の導入により、「価値」と「価格」の2つの価値提供を進めた。
「価値」軸では、簡便・時短ニーズへの対応として、「トップバリュ」のパウチ総菜や冷凍食品の品揃えを拡充した。結果、これらカテゴリーの売上が同34%増加した。
「価格」軸では、お手頃価格の商品を増やすべく、価格訴求型PBの「トップバリュベストプライス」商品を充実させ、飲料やRTD(Ready To Drink:購入後そのまま飲めるアルコール飲料)、ラーメンで売上を伸ばした。米飯も、買い合わせしやすい370円の弁当シリーズを継続的に発売し、売上を伸ばした。
2つの成長戦略で、さらなる売上拡大へ
25年2月期の成長戦略
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