関西の食品小売市場に大きなインパクトを与えているロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)だが、万代も複数の店舗がロピアに近接しており、競合関係にある。なかでも至近距離で相対するのが、道路を挟んでロピアの「ららぽーと堺店」を臨む、「万代ビバモール美原南インター店」(大阪府堺市:以下、美原南インター店)だ。万代はどのような“ロピア対策”を打っているのか。同店の売場づくりや、周辺の競争環境も俯瞰しつつ分析してみた。
調査日:2023年6月18日 ※文中・表中の価格は調査日のもの、本体価格
ロピア進出の影響は一時的なものに
2021年9月4日にオープンした美原南インター店は、阪和自動車道「美原南IC」からクルマで5分ほどの、国道309号線沿いに位置する。ホームセンター大手のアークランズ(新潟県/坂本晴彦社長)が運営するショッピングセンター(SC)の1階部分に店を構え、売場面積は約400坪の標準的なサイズの店舗である。
競合店は同じ国道309号線沿いの600mほど南にある「オークワ堺美原店」、同1㎞ほどの場所に「業務スーパー堺店」「ラ・ムー堺美原店」などがある。競争環境はそれほど厳しいものではなかったが、状況が一変したのは22年11月。道路を挟んで斜向かいに開業した大型ショッピングモール「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」の核テナントの1つとして、ロピアのららぽーと堺店がオープンしたのだ。関西でも絶大な集客力を誇るロピアの進出で、美原地区はにわかに“激戦地”へと変貌を遂げた。
筆者はロピアの店舗を開業直後にも訪れているが、あらためて同店に足を運んでみると予想以上の光景が広がっていた。日曜日だったこともあるが、開店1時間後にもかかわらず、80人ほどの入店待ちの列ができていたのだ。開業から約半年を経てもロピアの集客力は健在であり、万代にとっては脅威でしかないだろう。
しかし、その後万代の美原南インター店に行ってみると、ロピアの存在をものともせず、多くのお客でにぎわっていた。実はロピアの開業時にも同店の売場調査を行ったのだが、当時は明らかにお客を奪われていたが、万代は“ロピアエフェクト”をかいくぐり、繁盛店を維持しているようなのだ。万代はどのようにしてロピア対策を講じているのか。それを探るため、美原南インター店の売場を詳しく調査してみた。
売場演出、量目対応はロピアを強く意識
美原南インター店の
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