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第22回 企業イメージ刷新の提案

スーパーマーケット再創造

競争を勝ち抜く店舗リニューアル

 スーパーマーケット(SM)の店舗老朽化の現状と対策については連載第20回(本誌5月1日号)で述べた。SM企業の老朽化店舗比率はほかのフォーマットより高いため、リニューアル対策は不可欠なのだ。

 同時に、本格的な競争を勝ち抜くには企業イメージの向上対策も必要だ。新しい時代に似合う便利さ、そしてクリーンでモダンな企業というイメージを醸成することで、固定客を逃さないだけでなく客層を拡大できるのである。そのために時代に合った店舗リニューアル対策が必要だ。店名を漢字からローマ字に変えただけでは、これまでにお客の記憶に焼き付いた古臭いマイナスイメージを払拭することはできない。

 現状は、外装も内装も商品の見せ方も、昭和の時代からあまり進化はない。もともと客数の多い既存店には追加投資をしないから、外装は日に焼けて色が薄くなり、塗装ははげ落ち、壁や照明器具などの装置は所々修復の跡が目立つ。また、床や階段、ガラス戸は掃除の都度、隅や窪みに洗剤がこびり付き、見た目の劣化度合いは計り知れない。

 そこに手を掛けたとしても、もともとの外装や内装に追加の装飾や販促物が増え、開店当初、時間とコストをかけて計画されたデザインコンセプトはことごとく歪曲されている。結果、ロゴタイプや外装のデザインを決定した遠い昔の画期的な店舗は古びて見えるのだが、当事者はそれに気づかない。

 コンビニエンスストアは定期的に外装・内装をリニューアルし、ドラッグストアは新興勢力だから店舗は総じてSMより新しい。だからそちらのほうがクリーンに見えることは間違いない。

 また、時間経過とともにSMの店舗レイアウトは複雑化した。1980年代、アメリカのSM大チェーンを学び、熱心にまねしようとしていた時代の店舗レイアウトは単純で、店内を回遊するのに便利だった。ゴンドラエンド陳列も原則どおり第3磁石の役割を果たし、ワンウェイ・コントロールに貢献していたのである。

 その後店内レイアウトに日本独自の工夫が施されて、例外が増えていった。結果、店内回遊率が高まったのならよいが科学的根拠が曖昧なまま物まねが横行し、SM各社の店舗は複雑になったまま同質化したのである。

 本格的な競争真っ只中のSM業界で勝ち残るカギは、

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