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コロナ禍でスーパーで購買が伸びた商品ベスト10と不足がちな栄養分とは!?

新型コロナウイルス感染拡大回避のための、政府による全国の小中学校、高等学校、特別支援学校に対する休校要請や、テレワーク推進の要請、週末の外出自粛要請などにより、とくに都内を中心に食品や日用雑貨の買いだめ行動が発生した。そうした中、食品スーパー(SM)で購買が伸びた商品を発表しよう。

Pixfly / iStock

そのまま食べられる商品に人気集まるが・・・

 食品スーパー(SM)にとっては特需となったが、時短効果の高いものや保存性の高いものに、一時的に人気が集中し、SMの店頭から当該商品が姿を消すといった事態も現れた。

 こうしたなか、SMのポイントカードでの購入履歴から栄養バランスをチェックできるスマートフォンアプリ「SIRU+(シルタス)」を運営するシルタス(東京都/小原一樹社長)では「新型コロナウイルス流行による購買の変化」を公表した(下図参照)。

購入頻度上昇率TOP10
「1月10日~2月9日」と「2月10日~3月11日」での購入頻度の比較
  食品名 購入頻度上昇率
1位 アスパラガス 77.56
2位 牛乳 73.10
3位 焼きそば 44.85
4位 冷凍スパゲティ(ナポリタン) 29.41
5位 砂糖 23.27
6位 メロンパン 18.90
7位 お弁当(豆ご飯) 18.21
8位 即席ラーメン(味噌味) 17.96
9位 あんぱん 17.90
10位 乳酸飲料 17.75

110日~29日」と「210日~311日」の期間に分け、SIRU+を導入しているSMで購入された約3200万件の購買データを比較分析したもので、焼きそばや冷凍スパゲティ、即席ラーメン、菓子パンといった、簡単に調理ができる、もしくはそのまま食べられる食品の購入上昇率が高いことがわかった。これらは明らかに、休校要請や外出自粛などによる、家で食事をする機会の増加によるものだろう(ただし、上昇率の1位は旬のアスパラガス、2位は子どものいる家庭でまとめ買いされやすい牛乳)。

 さらにSIRU+では、上位にランクされた食品の栄養成分を分析し、ビタミンCが不足しやすい傾向があると指摘。ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持や、病気やストレスへの抵抗力を強める働きがあり、ウイルス対策のためにも積極的に摂りたい栄養素であり、それらを多く含むパプリカ、ピーマン、ブロッコリー、さつまいも、じゃがいも、キャベツ、イチゴ、キウイを摂取することを勧めている。

 また、SIRU+上では栄養バランスに応じたメニューの提案も可能だが、たとえば、豚肉、もやし、ニンジンで作った焼きそばに、キャベツ、ピーマンを追加すると、1食あたりのビタミンCの含有量が当初の焼きそばの10.7倍になるとしている。

 

SMと連携して真価発揮する「SIRU+」

 「SIRU+」は一般の消費者向けの無料スマホアプリだが、ポイントカードを発行しているSMなどとのデータ連携により、その機能を発揮するものだ。

 アプリ上で顧客情報を登録し、ポイントカードと連携させておくと、購入した食品を自動で登録、摂取できる栄養素を見える化する。そして、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2015年版)」をもとに、不足している栄養素があれば、それを補う最適な食材やレシピの提案をする。さらに、継続的に利用していくと、アプリと連動するAI(人工知能)が、ユーザー自身の食の好みや、調理スキルを学習し、栄養バランスが良くなる健康的な食材の購入やレシピの提案も可能になる。

 20204月現在、「SIRU+」と連携可能なSMはダイエーの30店舗だが、「年内には他のSMを含め300店舗で利用できるようになる」(同社広報・岸名友美氏)という。

 SIRU+の利用メリットはユーザーだけにあるのではない。ポイントカードとデータ連携をするSMからすれば、さまざまな可能性が考えられる。

 ポイントカードとのデータ連携により、このSIRU+を通じて、ユーザーの属性、住んでいる場所(よく利用する店舗から)、栄養状態がわかるようになる。

 たとえば「30代女性、ビタミンAが不足がち、キャベツをよく購入している」という傾向があれば、キャベツと相性のよいビタミンAを含む食材やメニューの提案をする。また、ビタミンCの不足がちな人がいた場合、みかんとイチゴのどちらを購入する人が多いのかがわかれば、購入率の高い方をメーンにビタミンCを訴求する棚割りを考える。

 また、これまでであれば、風邪が流行りやすい冬場の乾燥した時期には、顧客の購買傾向に関係なく、「ビタミンCを摂りましょう」と漠然と訴求するだけの売場も、「ビタミンC不足の顧客とイチゴの購入」が関連していることがわかれば、ピンポイントでイチゴの品揃えを厚くして、ビタミンCの摂取と風邪の予防を訴求する売場づくりができる。

 つまり、店舗の利用客に合わせた「栄養軸×商品の購買動向」による販促が可能になるのだ。顧客の購買データは、買い物の翌日までには更新されるということだから、データの変化に合わせた、売場づくりの更新にも十分活用できる。

 2020430日からは新たに「食材入力機能」がSIRU+に追加された。ポイントカード連携店舗以外で購入した食材も、アプリへ登録できるようになったのだ。連携店からすれば、これまで以上に精緻な食生活の栄養バランスの分析が可能になり、健康ニーズ、栄養バランスを軸とした販促展開も可能になるということだ。

 55日、政府は新型コロナウイルス特別措置法にもとづく緊急事態宣言を延長した。一方、自治体によっては、飲食店等への休業要請の解除も始まり、コロナ後の消費者の行動変容を見据えた動きも出てきている。

 いまはっきりしていることは、オンラインを活用したやり取りやビジネスは、今後一層拍車がかかるだろうということだ。これまでは利用をためらっていた世帯でも、ネットスーパーを含めたECの利用が日常化していくにちがいない。SIRU+でも、年内中には、ECとの連携接続が可能になるという。