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アフターコロナで爆発的に増える離職を食い止める方法

こんにちは、成田直人です。今回のコロナウィルスの蔓延で自粛閉店に追い込まれる、もしくは時短営業に追い込まれている店も多いと思います。今回は、アフターコロナで爆発的に増える離職を食い止める方法を解説します。なぜ離職急増が、今でなくアフターコロナなのか、その説明から始めます。

takasuu / iStock

アフターコロナに従業員が大量離職する理由

 ネガティブな出来事が起こると人間にはある心理が働きます。今回のコロナショックの場合は、「コロナが落ち着いたら辞めようかな」という感情です。義理人情と強い責任感を持っている人が多いため、なかなか退職をするきっかけがなく働き続けている人は少なくありません。環境を変えたいと思っていても「今やめたらみんな困るだろうな」と思ってこれまで踏みとどまってきた人が多いわけです。ところが、こういう出来事が起こるとそれが退職の一つのきっかけになる可能性があります。

 だから、アフターコロナに向けてマネージャーとして店舗スタッフとまめにコンタクトを取ることをおすすめします。忙しくて自店舗のスタッフ一人ひとりとまとまった時間を作ることが難しかったからこそゆっくりと向き合う機会を作ることが大切です。オンラインでも構いませんので面談をしてみてください。

 その際にぜひ一つ聞いていただきたい質問があります。それは、「今の仕事で不満は何かある?」ではありません。この質問をしても多くのスタッフは「特にありません」と言います。なぜなら店長やマネージャーを前にして悪口を言えるわけがないからです。(私みたいに図太い人は言えるかもしれませんが・笑)

 ではどんな質問をすることが大切なのか?それは、「理想」を聞くことです。「仕事の難易度が低い」「会社の方針がコロコロ変わらない」「メンバー同士の関係が良い」「仕事が楽しい」「笑顔に溢れている」と5〜10個くらい引き出せるとOKです。

スタッフの言う理想は、現実の裏返し!

  では、店長やマネージャーはこれを受け、どんな自己評価をする必要があるのでしょうか?それは、「現実はすべて真逆である」ということです。「仕事の難易度が高い」「店長の言っていることがコロコロ変わる」「メンバー同士が仲悪い・いじめがある」「仕事がつまらない(単調すぎる)」「笑顔がない(余裕がない)」と変換することができます。厳しいですが、これが現実であると受け止めることが重要です。

 店長やマネージャーに突きつけられた現実から逃げずに、一つ一つ向き合うことが大切です。とはいえどこから手をつけたらいいのかわからないですよね。そのために「挙げてくれた5〜10個の理想のうち、これだけは外せない!というベスト3を挙げるとしたらどれかな」と聞いてみてください。

 そして、スタッフの価値観の中で最も重要な3つの理想を叶えることを約束してください。時間をもらい、具体的なアイデアを次回の面談の際に提示しましょう。例えば仕事の難易度が高い→もっと簡単にする、という曖昧な解決策(アイデア)ではなく、今後は仕事(業務)の手順を必ず教育する時間を確保する、と具体的に提示しましょう。

 そうすることでスタッフは「店長は私を大切にしてくれている」と感謝の気持ちを抱きます。スタッフも人なので働く環境において「自分自身が大切にされている」という感情を大切にしています。まるで機械のように扱われるとすぐに離職をします。今は辞めてもすぐに次の働く場所が見つかる時代、だからこそ留まるにはそれなりに理由が必要になります。人材不足の店が多く、日頃の店内(社内)コミュニケーションが希薄化しやすい環境だからこそ、コミュニケーションを取ることが大切です。

 「コロナウィルスを機に辞めようかな」と思っているスタッフにもう一度振り向いてもらうためにも、「関係性」の構築に急ピッチで取り組みましょう。そうすることで終息後も店舗(組織)の戦力として活躍してくれるし、スタッフ一人ひとりの理想(願望)を皆さんはすでに知っているわけですから、それを形にして、従業員満足度を高めていくことができます。

 今回踏みとどまり力をつけることで、また日常が戻ってきたときに高いモチベーションで仕事に全スタッフが当たれるよう、しっかりとスタッフ一人ひとりと向き合っていきましょう!

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。