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ツルハHD堀川社長はなぜ、「食品スーパーのM&Aもあり得る」と語ったのか!?

ツルハホールディングス(北海道:以下、ツルハHD)の2020年5月期上期業績は増収増益だった。消費税増税前の駆け込み需要が想定以上にあったことに加えて、調剤事業も好調だった。24年5月期に3000店舗、売上高1兆円をめざす同社に死角はあるか。

M&Aについて話す、ツルハHD堀川政司社長

5つの成長エンジンとM&A

ツルハHDの20年5月期上期業績は、売上高は4164億円(対前期比8.8%増)、営業利益は237億円(同15.5%増)、経常利益は244億円(同14.2%増)、当期純利益は155億円(同20.2%増)だった。

 消費税増税前の駆込需要が想定以上にあったことに加え、調剤部門も伸長。売上総利益率が対前期比0.4ポイント改善したほか、販売費及び一般管理費の適正化が進んだことにより2ケタ営業増益を達成した。

 ツルハHDは17年9月に杏林堂薬局(静岡県)、18年5月にビー・アンド・ディー(愛知県)を連結子会社化。18年度にはウエルシアホールディングス(東京都)の売上高を上回り、ドラッグストア業界売上高首位に躍り出た。

 20年5月期上期業績からわかる通り、順調に企業規模を拡大している。
 ツルハHDの成長エンジンは、(1)プライベートブランド(PB)商品、(2)新規出店、(3)商品カテゴリーごとの売上と利益率の向上、(4)接客推奨販売の推進、(5)調剤の5つ。

 中期目標は24年5月期に3000店舗、売上高1兆円だ。店舗数は現状の出店ペースでは400~600店舗ほど不足する計算になる。その不足分についてはM&Aよって補う計画だ。

ツルハHDはSM企業と手を組むか?

ツルハHDの堀川政司社長はM&Aについて次のように明かす。

堀川社長はSM企業からの「声掛け」も明らかにした

 「今後のM&Aの具体的な中身については明かせないが、大なり小なりということは別にして、当社に持ち込まれる案件は今でも多い。減っていないし増えてもいない。金額的には上がってきている。M&AはツルハHDの1つの成長エンジンであることに変わりはない。業態としては、DgS、調剤薬局以外の案件もある。当社がいちばん重視するのは立地。いい立地に店舗がなければM&Aはしない。たとえばいい立地に店舗を展開する食品スーパー(SM)を買収するなら、生鮮食品と総菜はそのままに、それ以外の非食品のカテゴリーを当社が手掛けることになるだろう。そういったかたちのM&Aもあり得る」。

 ツルハHD取締役兼執行役員としてM&Aを担当する小川久哉氏は、SM企業から“声掛け”があることを明らかにしたうえで、「今後はより業態間の垣根を越えた競争が行われるとともに、DgSとSMの協働という選択肢をとる企業も増えてくるのかもしれない」と話している(『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌2019年9月15日号の特集「強者の連合 ツルハホールディングス」)。

 ツルハHDはSM企業と手を組むのか。またはツルハHDと手を組むSM企業が登場するのか。業態間の垣根を越えた再編が進むかもしれない。