埼玉を地盤とする中堅食品スーパー(SM)企業のマミーマート(岩崎裕文社長)は、2022年からディスカウント型の新フォーマット「マミープラス」を展開している。有力チェーンがひしめく商勢圏において、同社はどのようなディスカウントフォーマットでシェアを獲得しようとしているのか。埼玉県内にあるマミープラス2店舗の売場づくりから同フォーマットの強さを探ってみたい。
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ねらいは1品単価増大?豊富な商品ラインアップ
「マミーマート」「生鮮市場TOP」の屋号でSMを運営するマミーマートが「マミープラス」の展開をスタートしたのは2022年5月のことだ。既存店を改装するかたちで出店を進め、2023年10月現在、埼玉と千葉に4店舗を展開する。今回は、22年9月オープンの「下戸田店」、23年9月オープンの最新店「西堀店」を訪問し、同フォーマットの特徴や、両店の違いを調査してみた。
両店の売場を見ていくと、入口付近の最前面では、台車に積まれた商品をそのままラップ巻きにしてボリューム陳列を行っている。西堀店では入口のみの展開だが、下戸田店では入口に加えて、レジ前でも複数の台車を設置し、最後の購入点数アップを図る仕掛けとして活用していた。選定アイテムは西堀店、下戸田店で同じアイテムはほとんどなく、個店での対応であるようだ。どちらもメジャーアイテムの展開はなく、他チェーンではあまり見かけないメーカーや、特徴的なフレーバーなどの限定アイテムを中心に構成されている。
割引表示については、「商談時使用売価」と記載し、そこからの割引率とし、30~70%台の割引率となっていた。これら台車による陳列は客溜まりを生むマグネットとして機能しており、ひととおり商品を眺めてから店内に入っていく人が多かった。
続く青果は、西堀店のほうが
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