平和堂の商勢圏では、業態を超えた競争が年々、激化している。その中、加工食品と日配品は、独自アイテムや健康志向の商品を充実する一方、頻度品については価格訴求により集客力を強化する。現在、重要テーマに掲げる「健康・子育て・高齢者」にとり、魅力的な品揃え、売場づくりで競合店との差異化を図る方針だ。
競争激化するなか堅調な一般食品
平和堂の2023年2月期(22年度)決算を見ると、「一般食品」の販売実績は、加工食品0.1%増、日配品1.7%増と堅調だった。
22年度を振り返り、一般食品事業部の辻本将臣部長(執行役員食品統括)は、次のように説明する。「コロナ禍以前の19年度との比較では、加工食品4.6%増、日配品6.8%増と、確かに高止まりしている。しかし巣ごもり需要が落ち着きつつあるほか、行動制限の緩和で、お客さまが買いまわりを始め、必ずしも楽観視できない状況にあると認識している」。
加えて、22年度下期からは値上げラッシュも重なった。一品単価は対前期比6%増と伸長した反面、客数は2%減と、小売業にとっては不透明な状況が続く。
あらためて平和堂の競争環境に目を向けると、商勢圏では年々、競争が激化する傾向にある。なかでも多くの店舗を配する本拠、滋賀県では、食品の扱いが大きいドラッグストア(DgS)、さらにディスカウントストアといった異業態が台頭、業態の枠を超えた戦いが激しさを増している。
一般に、価格が比較されやすい加工食品、日配品にとっては厳しい状況といえる。こうした厳しい状況に対し、平和堂では競合店との差異化を図る施策に力を入れている。
この実現のため、価格に敏感な若い世代に向けては、頻度品を低価格で提供することで、集客力を強化する計画である。ただ価格訴求のためには原資が必要で、生産性の向上やさまざまな効率化も課題となっている。
付加価値と低価格両面訴求する
平和堂による一般食品の具体的な戦略
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