食品小売業界の競争が激化するなか、消費者から選ばれるために、独自商品の存在がいっそう重要になっている。そうしたなか生協は、プライベートブランド(PB)「CO・OP商品(コープ商品)」の価値をあらためて見直し、長年取り込みに注力する若年層にもその魅力を知ってもらうべく、組合員とのコミュニケーション施策を進めている。従来と変わりつつある生協のプロモーション施策にクローズアップする。
毎年、3万件近くの声を商品に生かす
全国の生協向けに「コープ商品」の開発・供給を行う日本生活協同組合連合会(東京都:以下、日本生協連)は現在、2016年に策定した「コープ商品」の商品政策の見直しを進めている。理由は、外部環境、そして組合員の生活様式が大きく変化するなかで、コープ商品が重視すること、また今後のために強化していくべきことを改めて明確にするためだ。日本生協連ブランド戦略本部本部長の朝比奈まゆ子氏は「コープ商品がいちばん大切にしているのは組合員の声。今一度この原点に立ち返って、組合員のふだんのくらしが少しでもよくなるようなコープ商品を開発していきたい」と説明する。
日本生協連は創設当時から組合員の声を元にコープ商品の開発・改善を行ってきた歴史がある。日本生協連に毎年寄せられる組合員の声は年間平均約10万件。そのうちコープ商品に関する声は21年度には2万7810件、つまり4分の1以上を占める。その全件を読み込み・分析し、コープ商品の開発や改善につなげている。
コープ商品が発売60周年を迎えた20年には、組合員の投票により人気のロングセラー商品を決定する「コープ商品60周年総選挙2020」を開催した。結果、約96万票の投票と、投票者からの68万件ものコメント(声)が寄せられた。
注目したいのが、
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