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平和堂23年2月期上期決算は減収減益 積極投資により通期業績予想を下方修正

平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)が2023年2月期上期決算を発表し、連結ベースの業績は減収減益、また、下期予算は下方修正すると述べた。平松社長は、今後の投資計画を発表するなかで、ネットスーパーの運用開始についても触れた。

光熱費の増加、中国のゼロコロナ政策の影響受け減収減益

 平和堂の23年2月期上期連結決算は、営業収益が対前年同期比0.2%減の2154億円 、営業利益が同32.1%減の47億円、当期純利益が同42.6%減の29億円。国内での光熱費の増加、ゼロコロナ政策を採る中国での採算の悪化によって、減収減益 となった(前年比較は収益認識に関する会計基準適用前に組み替えた数値ベース)。
 
 単体では、営業収益が対前年同期比0.5%増の1909億円、営業利益が 同28.2%減の44億円、当期純利益が同25.5%減の36億円の増収減益 となった。営業収益については、前年の営業縮小の反動増と衣料品の回復、堅調な食品販売により、2期ぶりに増収を達成。既存店売上高 も、同0.7%増と堅調に推移している。

 一方、23年下期の連結業績予想については下方修正し、営業利益は当初計画から33億円減の108億円、経常利益は同37億円減の122億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28億円減の65億円とした。物価上昇や原材料の高騰、光熱費の増加を受けたこと、ネットスーパーなどでのシステム投資や、付加価値を高めるための改装投資における経費比率上昇の影響が大きい。

デリカセンター新設やシステムに積極投資

 連結設備投資計画では、新店投資や改装投資に加え、来年5月に新設するデリカセンターやシステムへの投資を積極的に行っていくことを明かした。平松社長は、「通常であれば100億円程度のところを、22年度通期見込み186億円と大きな金額を投資していく」と語った。具体的な内訳としては、新規出店に9億円、既存店舗の改装・修繕に66億円、システムに46億円、デリカセンター新設などに44億円、連結子会社には18億円を投じる。

 このうち改装投資については、14年度から実施している食品売場の改装に加え、今後は、衣料品・住居関連品の直営売場面積の適正化や、テナント導入、コミュニティゾーンの構築といった、付加価値を高める改装を行っていく考えだ。

 システム投資では、決済の利便性向上を図る新型レジの導入や、スマートフォンアプリ「HOP WALLET(ホップ・ウォレット)」のサービス向上を進める。「HOP WALLET(ホップ・ウォレット)」とは今年2月に開始したスマートフォンによるキャッシュレス決済サービスで、今後は「HOP WALLET」から得たデータの収集や蓄積、加工と分析に注力。個人向けのお得情報やクーポンを配信するなど、よりパーソナルな販促を行うことで、チラシ販促からの脱却とロイヤルカスタマーの獲得をめざす。

ネットスーパー開始後もリアル店舗の存在意義を追求

 また、システム投資の一環としてネットスーパーの開始を発表。具体的な店名は公表されなかったが、まずは京阪エリアの1店舗 で実証実験を行い、置き配と店舗受け取りの2パターンで対応する。そこで利用動向やお客のニーズを把握し、今後他店舗でも展開していく考えだ。

 平松社長は 「ネットスーパーを開始したのは、あくまで多様なニーズに応えるため」と語った。平和堂はこれまで、買い物代行サービス「ホームサポートサービス」を実施してきた。ネットリテラシーの低い高齢者に向けて、電話・ファックスで注文を受け付け、商品を届けるというものだ。同サービスもネットスーパーと並行して引き続き運用するという。

 さらに、「ネットスーパー開始後も、リアル店舗に来て楽しさを感じてもらうことを重要だと考える」と平松社長は語り、今後、店舗が「地域サロン」としての役割を担い、交流の場としての付加価値を高めていく考えだ。