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ファミマがプラ製フォークを竹箸に切り替え!食品小売業でサステナブルな施策が加速する理由

 今、食品小売企業が「SDGs(持続可能な開発目標)」や「サステナビリティ」のための施策を加速させている。各社、まるで競うように続々と新たな施策を発表している。大手食品小売企業の直近の事例とともに、その背景を解説する。

9月だけでも各社で
さまざまな施策がスタート

 コンビニエンスストアのファミリーマート(東京都)は、10月4日から全国の店舗でプラスチック製フォークの配布を取りやめ、竹箸の提供に切り替えると発表した。これによりプラスチック使用量を年間約250トン削減できる見込みだ。

 同社は2020年年2月、環境に関する中長期的目標「ファミマecoビジョン2050」策定し、「温室効果ガスの削減」「プラスチック対策」「食品ロスの削減」の3つのテーマに取り組みを進めている。

 「プラスチック対策」では、すでに21年9月に店頭で提供するスプーンを、持ち手部分に穴の開いたデザインのものに切り替え、プラスチック使用量を約12%、年間で約65トン削減した。今回はさらにフォークにも取り組みを広げたかたちだ。

ファミリーマートは、店頭で提供するスプーンを持ち手部分に穴の開いたデザインのものに切り替えた

 そのほかコンビニ大手では、セブン-イレブン・ジャパン(東京都)は9月の約1カ月間、淹れたてコーヒー「セブンカフェ」購入時にマイボトル利用を促進する実証実験を実施した。ローソン(東京都)は東北産のブランド米を使用したドーナツなど、地産地消につながる商品を発売したニュースリリースを、9月だけで5本以上発表している。

バローは店頭で
EV充電サービスを開始

 食品スーパー企業では、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都)は9月2日、植物由来代替肉を製造する米ビヨンド・ミート(BEYOND MEAT)と独占販売契約を締結したと発表。環境負荷を低減するサステナブルな商品を提供することで、他社との差別化につなげる。

 バローホールディングス(岐阜県)は9月20日、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京都)、プラゴ(東京都)の3社で連携し、「バロー碧南城山店」(愛知県碧南市)でEV充電サービスを来店客向けに開始した。EV充電器の給電には、店舗屋根に設置した太陽光発電により生み出す再生可能エネルギーを活用する。

「バロー碧南城山店」に設置された太陽光発電(左)とEV充電サービス(右)

 このように9月のニュースだけでも多くのサステナブルな施策の事例が挙がる。なぜ、食品小売業は今、「SDGs」や「サステナビリティ」な取り組みを加速させているのか。

今まで以上に求められる
企業の社会的責任

 その大きな理由の1つに、食品小売企業にとってサステナブルな施策が、単なる社会貢献にとどまらず、経営戦略上欠かせない存在になりつつあることが挙げられる。

 背景としてまず、国内全体でサステナビリティへの関心が高まっている。日本政府は「SDGsアクションプラン」を掲げ、30年までの目標実現のための具体的な優先課題を示すようになった。

 また株式市場においても22年4月、東京証券取引所の上場区分が再編され、グローバル企業を中心とした「プライム企業」を主に、非財務情報の開示義務が強化された。上場企業にとって「SDGs経営」とその情報開示は、社会的責任や資金調達などの点で必須の状況となっている。

サステナブルは
「付加価値」になる

 次に、食品小売企業を取り巻く外部環境の急激な変化がある。

 世界的なインフレに円安、ウクライナ情勢に端を発する燃料高などの影響を受け、電気代や原価が高騰。これが急激なコスト増となり企業の経営に重大な影響を与えている。こうしたなか、あらゆるコストやロスを見直し、ムダを削減することが財務面でも求められている。

 加えて、価格競争の激化だ。競争が熾烈を極めるなか食品小売企業が今後、生き残っていくためには、価格以外で他社と差別化を図れる付加価値の創出が求められている。そうしたなか、「健康」「地域密着」「環境に優しい」などのサステナビリティの領域となるこれらの価値が、提案の切り口として注目を集めている。

店頭でサステナブルな施策を多く実践している「サミットストア世田谷船橋店」

 もう1つ見過ごせないのが消費者の変化だ。近年では学校教育において、学習指導要領に「持続可能性」が盛り込まれるなど、若い世代を中心にサステナビリティへの関心が広がりつつある。

消費者との
日常的な接点を生かす

 このように食品小売業にとってサステナビリティ活動は、社会貢献の枠に収まらず、ステークホルダーから選ばれる存在になるために欠かせない施策となっている。こうした状況もあり、最近では中期経営計画といった成長戦略の中に「SDGs」や「サステナビリティ」を組み込み、これを実行することで企業成長の実現をめざす食品小売企業も増えている

 食品小売企業は、日常的に利用されることから、消費者と多くの接点を持つ。たとえば冒頭のファミリーマートは全国に約1万6600店を展開し、年間来店客数は55億人を超える。この点で、食品小売企業がサステナビリティに取り組めば、多くの消費者を巻き込むことにつながり、結果、大きなインパクトを生み出せる可能性を秘めていると言える。

 こうした点からも食品小売企業は今こそ、サステナブルな施策を経営戦略に組み込み、持続可能な事業・組織を追求するときなのかもしれない。これに取り組む企業・取り組まない企業では将来的に、大きな差が生まれることになりそうだ。

食品小売企業のサステナブルな施策を表彰する新企画
「サステナブル・リテイリング表彰」 
候補施策を募集しています!

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結果発表    2022年11月中を予定

▼こちらからご応募ください

https://diamond-rm.net/management/225046/

問い合わせ先
TEL:03-6811-7486 サステナブル・リテイリング表彰 事務局 大宮