今年のJリーグは、とくに終盤戦が本当に面白かった。
12月6日(土)のJ1の最終節では、浦和レッドダイヤモンズとガンバ大阪、鹿島アントラーズの3チームが最後の最後まで優勝争いを繰り広げた。
先取点を浦和が守り切れば優勝に近づいたゲーム(@埼玉スタジアム2002)は、相手チームの名古屋グランパスエイトが意地を見せ、後半に2点を取り、逆転勝ち。前々週はガンバ大阪との直接対決に敗れ、前週はアディショナルタイムでサガン鳥栖に同点に追いつかれるなど、浦和の失速感がそのまま試合に現れた。
一方、西に約511㎞離れた鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムでは、何度もゴールを脅かされたガンバ大阪が何とか引き分けに持ち込んだ。
結果、優勝はガンバ大阪がさらった。最大14点もあった勝ち点差をひっくり返しての大逆転劇となった。
翌7日(日)は、J1の昇格を賭け、3位~6位のチームのトーナメント(5位のギラヴァンツ北九州はJ1のクラブライセンスがないため不出場)による決勝戦が行われた(@味の素スタジアム)。
負けない限りは昇格できたジェフユナイテッド市原・千葉がモンテディオ山形に1点差の惜敗を喫し、山形の昇格が決まった。先行された千葉は、1点を取って同点に持ち込めば、昇格を決めることができたが、浦和からレンタル移籍してきたゴールキーパーの山岸範宏が好セーブを連発しこれを阻んだ。
山岸は前週も引き分けれは昇格の道が閉ざされる試合の最終プレーでコーナーキックをヘディングシュートで決め、ジュビロ磐田を下している。
サッカーというと、日本代表の試合か日本代表選手が活躍するブンデスリーガやセリエAなど海外リーグが注目されがちだ。
しかし、今年のガンバ大阪や2011年の柏レイソルのようにJ2からJ1に昇格したチームが復帰後即座に優勝するくらいチーム力が拮抗してくると、お気に入りのチームがなくとも食い入るように見てしまう。
Jリーグには、まだまだ潜在需要があるような気がする。
もちろん、日本サッカー協会もさまざまな取組をしている。
2012年からスタートした、J2の3位から6位のチームによるJ1昇格を賭けたトーナメントは、そのひとつ。消化試合をキラーコンテンツに変える機能を持ち、観客動員を引き揚げ、入場料収入の増加につなげている。
ファンにとっては緊張の連続だろうが、トーナメントの開催によって私のようなにわかファンも集客できるようになるはずだ。
実際、J2の入場者数(22チームの合計)は2013年に初めて300万人を突破している(J1は527万人〈18チーム〉)。
Jリーグを支えているのは地域に根差す熱狂的なファンであることは紛れもない事実だが、さらに潜在需要を開拓し、観客動員や入場料収入を増やすには、仕掛けることが大事なのだと改めて思い知らされる。