雑誌に誤字脱字などのミスが出た時の原因を追ってみる。
実は、多くのチェック機能を設けているので、ひとつだけの原因でミスが表に出ることはまずありえない。
たとえば、『チェーンストアエイジ』誌で言うならば、
① 記者が取材対象者から聞き間違う
② 記者が記事を書き間違う
③ 編集デスクが読み飛ばす
④ 文字校正者が誤字脱字を見逃す
⑤ 記者がミスのある校正紙を数度にわたって読み飛ばす
⑥ 編集長がミスを見逃す
と、ざっと8~10回というありえないほどの多くの偶然が重ならない限り、ミスは起こらないものだ。
逆にいえば、ミスとは、「あの時、あれをしなければ…」という後悔の積み重ねの結果、ようやく現出するものなのである。
ということは、ミスを防ぐには、そのうちのたった1つを打ち消すことができればいい。
このことは、私が籍を置く、「編集」という職種に限らず、ほとんどの業種職種において同じなのだと思う。
にもかかわらず、なぜ、ミスは起こってしまうのか?
小誌について振り返るなら、他人任せの姿勢か、慣れからくる怠慢か、のどちらかであることが多い。要するに、ケアレスミス。担当者は、その時に求められているだけの能力を発揮していないのである。
サッカーのゴールキーパーの境地で「自分がミスを止めなければ、後ろは誰もいない」くらいに集中することで、常に自分の仕事に取り組むことができれば、ほとんどのミスはなくなるかもしれない。
しかし、トッププロのゴールキーパーにも時として安易なミスが出るのだから、事はそれほど簡単ではないのだろう。
このケアレスミスやヒューマンエラーを解決する仕組みをご存知の方、どうか、ご連絡いただきたい。