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采配が嫌い!

(中日ファンの)Mさん「これって、『采配』(ダイヤモンド社刊)じゃない。落合博満前中日ドラゴンズ監督の最新刊だよね」

 

私「発売3週間で30万部を突破したベストセラーです。Mさんが中日ファンと聞いていたので、すでに読んだかなとも思ったのですが、お土産に持ってきました」

 

Mさん「ありがとう。でも読んでないよ。落合のこと嫌いだもん」

 

私「そうなんですか。落合監督ってドラゴンズ再興の最大の立役者ですよね。指揮を執った8年間で日本一1回、ペナントレース優勝4回、Bクラスなし、ですよ」

 

Mさん「この本のタイトルじゃないけど、采配が面白くないじゃない。ボクだけじゃなくて、辞めてくれてよかった、と思っているファンは一杯いるよ。中日新聞社のフロントは英断だったね」

 

私「これだけ勝っていて、面白くないって言えるなんて、中日ファンはなかなか贅沢ですね。勝ち慣れちゃっているのかな。その本にも書いてありますけど、落合さんは『勝つことが最大のファンサービス』だと考えているみたいですよ。『監督が勝利を目指さずに誰が勝利を目指すのか?』って」

 

Mさん「ファンとしてのボクはちょっと違うな。ファンを喜ばせながら勝ち続ける野球ってあると思うんだよね。4番バッターにはバントさせないとか、次期監督候補のプロパー選手を大事に扱うとか、ストーブリーグにはファンサービスをするとか、日本球界を全体で盛り上げるとか…。プロは勝つことも重要、でもアントニオ猪木のプロレスまではいかないにせよエンターテイメント性ってのも必要だとボクは思うよ」

 

私「その考え方は間違っていないと思いますけど、落合さんの言い分も、その中に全部書いてありますからぜひ読んでみてください。私には贔屓のチームはないですけど、やっぱり応援するからには勝ってもらった方が気分がいい。どちらかと言えば、勝ち方は2の次ですかね」

 

Mさん「わかった、わかった。読んでみるよ。話をぶり返すけど、対照的なのは、今季から横浜DeNAベイスターズの監督に就任した中畑清だよね。明るいのはいいけど選手より目立つってのも、どうもいただけないよなあ。ほどほどってものが大事なのになあ。そう考えると、やっぱりいいなと思うのは、中日出身の高木守道新監督でしょう」

 

私「なるほど。そうきましたか。話がずいぶんと飛んじゃいましたけど、『采配』は読んでくださいね」