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仕入れ基準に“中庸”の概念

 米国の流通業で働く日本人のバイヤーに商品仕入れの決定要因について聞いた。

 

 彼が言うには、まず、「儲かる」「儲からない」という区分で考えるという。

 仕入れたものの、その商品が売れなければ無駄だし、売れても利益につながらなければ意味はないから、当然と言えば当然だ。

 

 ただ、決定要因は、「儲かる」「儲からない」という白黒の2分法だけではなく、グレーゾーンも存在するのだそうだ。

 

 売り込みに来たサプライヤーの人間と話したり、商品を吟味していて、自分が「うれしく感じるか?」「うれしく感じないか?」。

 

 もしうれしく感じるのであれば、儲からないかもしれないけれども、定番棚への導入を前提に試験的に仕入れることがあるのだという。

 

 米国は、「YES」 or 「NO」で決着をつけたがる国家風土だと決めつけていただけに、小売業の仕入れ基準に“中庸”という概念があると聞いてびっくり。世の中はわからないものである。