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完全試合は日米通算33回しかないんですね

 夏真っ盛り! オールスターゲームも始まった!

 

 アメリカ大リーグ、シカゴ・ホワイトソックスのマーク・バーリー(30)が、地元でのタンパベイ・レイズ戦で完全試合(=相手チームの打者を1度も塁に出さずに勝利すること)を達成した。大リーグでの完全試合は、2004年にランディ・ジョンソン(当時アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が最年長で達成して以来。しかも、大リーグ史上わずか18人しかいないというほどの快挙だ。

 

 日本のプロ野球に目を向けると、完全試合を達成した投手の人数は15人。1950年代に5人、1960年代に5人、1970年代に4人とほぼ2年に1度の割合で達成者を出していたが、1980年代以降は、たったの1人。1994年の槙原寛己(巨人)以後は出ていない。

 

 球足の速い人口芝球場の登場で打者有利になっていることや、分業制の定着で先発完投型の投手が少なくなっていることなどが要因として考えられるが、もはや日本での完全試合は“皆既日食”の頻度ほど珍しいものになっている。

 

 思い起こされるのは、2007年の中日対日本ハムの日本シリーズ第5戦。中日の山井大介があと9回を無難に打ちとれば、前人未到の大試合での完全試合達成という場面で、岩瀬仁紀への交代が告げられ、記録達成とならなかったことだ。落合博満監督の采配には、日本シリーズ終了後もしばらくの間、賛否両論が噴出した。

 

 完全試合は、結果だけを見ると、投手個人のみの記録ととられがちだが、監督の勝負観にまで左右されてしまう脆い地盤の上でようやく成り立つものであることを思い知らされる。

 

 また、達成の裏側には必ずチームメイトの好守好打などの協力があるはずで、我々の仕事とよく似ているところがある。