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交通網整備と地域格差是正

 交通網の整備が進むにつれて、日本全国ほとんどの町に短時間で行けるようになった。

 

 国内出張は、日帰りが圧倒的に多くなっている。この状況に100年に一度の経済危機が加わり、地方出張での宿泊は社内ではもはや罪悪に近い位置づけだ。

 

 はたして、日帰り出張が増えているのは、当社のみなのかと、知人・友人などに尋ねたところ、一様に同じ答えが返ってくる。

 

 「うちも一緒だよ」。

 

 今後、高速道路や整備新幹線、各地方空港などの交通網を、さらに拡充しようという動きがあるのは周知のとおりだが、何のための拡充なのか、今一度考えてみたい。

 

 大きな目的のひとつは、中央と地方の格差是正に違いない。

 

 ところが、交通網が整備されればされるほど、都会の人間は地方に滞留しなくなっていくという皮肉な事実がある。

 

 たぶん、これまで地方に落ちていた出張にともなう宿泊費や飲食費は、ますます減少していくものと予想できる。さらには、地方に住む人も、地元ではなく都市部に出て消費行動をするようになるだろう。

 

 交通網の整備が逆に地方の弱体化につながっていないのか、調べてみる必要はある。