どんなに良いとされる学校を卒業して、良いとされる企業に入社したとしても、その後に勉強しなければ、20年後には、『うさぎとかめ』よろしく、努力してきた者に簡単に追い抜かれている――。
たとえば、学校卒業後、1日1日時間だけ勉強した場合、1年間で365時間。20年間なら7300時間(=304日間)を積み重ねることになる。
1日当たりであれば、わずか1時間だが、20年後には丸々約1年を勉強に充てていることになるのだ。単純な計算ではあるが、これは凄い力だ。
新卒同期で入社した者同士であれば、1日1時間の積み重ねで、20年後には圧倒的な差がついていることは当然であるし、教育に力を入れている企業とそうでない企業の20年後の差もまた明快である。
「学歴」は、素地や素材としての判断基準としては、ある程度、当たっている。
しかし、“ダイヤモンドの原石”が20年後には、単なる“黒炭”になってしまった例は枚挙にいとまがない。かつて、授与された勲章にはいつまでも威光が宿っているとは限らないのである。
だからこそ、毎日少しずつでも何かを吸収することで、実社会で使える「学力」を身につけることを志向したい、と門出の春に思う。