招かれて、時々、証券アナリスト向けの決算説明会に出席する。
機関投資家などの代行としての証券アナリストの役割は十分承知しているつもりなのだが、『チェーンストアエイジ』誌が属する記者クラブの「流通報道記者会」(東京都/加藤英夫代表幹事)との比較でいえば、ずいぶんお行儀が悪い、という印象を受ける。
説明会中、眠る、ふんぞり返る、ガムを噛むなどの行為は当たり前――。
「流通報道記者会」と一番違うのは、質疑応答時に、質問ではなく、自分の意見を発表者にぶつけることにある。
重箱の隅をつつくように、決算短信に掲載されている言葉を指摘して、「この言葉を使うのはおかしいと思います」と言い切っておしまいなんてことは日常茶飯事。「いったい何が言いたかったのだろう」という内容の質問が氾濫している。
異動が多く、若い人たちも多い、という業界特性もあるのだろうが、専門職であるならば、それなりに予習をして、質問するのが筋というもの。だが、そんなことはお構いなしらしい。
機関投資家との窓口である証券アナリストに悪く書かれたくないために、発表企業側は、彼らに対して低姿勢を崩さない。意図が判然としない質問が出ても、証券アナリストのプライドを慮って、聞き返すことにさえ慎重だ。
そして、それがこの傲慢を助長しているようにみえる。
ただ、発表する企業側からみれば、証券アナリストも我々も同じようなものであることも間違いない。
その意味でいけば、決算説明会には謙虚な姿勢で臨みたいと思う。