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「高品質」にこそオーケーの本質がある

 『質』を追っている企業は元気がいい。飽和した市場で『量』を追えばどうしても価格競争に陥ってしまう。そこで、新しい『質』を創りだして市場に提供できるかどうかが大事である。その際の『質』とは同質であってはならない。他社との比較でレベルがちょっと高いという程度ではだめであり、異質でなければならない――。

 元花王会長の常盤文克さんは、著作『モノづくりのこころ』(日経BP社)の中でこのようなことを書いていた。

 

 飽和した食品スーパー市場で躍進しているのがオーケー(東京都/飯田勧社長)だ。オーケーは単なる「ディスカウントストア」として括られてしまうことが一般的だが実はそうではない。基本方針は「高品質・Everyday Low Price」であり、安売りの前に高品質がきている点は見逃せない。

 

 ここがオーケーのオーケーたる所以であって、異質化の神髄と言える。インタビューの中で「同業他社と同じことはやらない。違うことばかりをやっている」と力を込めた飯田社長は、今日も異質なディスカウントストアづくりに努めている。

 

『チェーンストアエイジ』誌 2010年6月15日号