[ベルリン 2日 ロイター] – 国際労働機関(ILO)は2日、2020年の1─6月に多くの国で月額賃金が低下したか停滞し、薄給労働者や女性への悪影響が最も大きかった明らかにした。
ILOは報告書で、新型コロナウイルスの危機によって「近い将来、賃金に大きな下押し圧力がかかる」と指摘した。
賃金は、データを集計した3分の2の国で前年同期よりも減ったか、伸びが鈍化した。残りの3分の1の国で見られた賃金の伸びは、主に低賃金労働者が失業したことによって平均賃金が押し上げられたことによるものだ。
欧州の28カ国においては、新型コロナウイルス対策の一環で導入された一時帰休制度などの政府支援がなければ、女性の賃金は第2・四半期に8.1%減っていた。比べて男性は5.4%の減少だった。
管理職や専門職よりも、高い技術を必要としない職に就く人の方が多くの労働時間を失った。
ILOのライダー事務局長は「新型コロナ危機によって生まれた不平等の拡大は、貧困と社会・経済不安という悲惨な状況を残す可能性がある」と警告した。