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実践!流通英会話38 enjoyを使って、”スケールメリットを享受する”を表現してみましょう

海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第38回は、グロサリー売場を舞台に、“スケールメリットを享受する”といった表現、価格競争といった流通用語を覚えていきましょう。(これまでの全スキットはこちら)。

今回のシーンと登場人物

ディスカウンターとの競合対策を学ぶため、やまだスーパーマーケットの山田信彦 社長は、コーディネーターの大森剛と共に、ウォルマートと競合するダンデライオン・ マーケットを訪問した。2人は、レイノルズ取締役と旗艦店のストーン店長に生鮮の 売場の案内を受けた後、ウォルマート対策の話を聞いた。その後、店舗視察を再開。現在、グロサリー売場を視察中である。

 

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話

レイノルズ:Shall we go to the center-store?
センターストアに行きましょう。

ストーン:Building a profitable center-store is one of our most difficult tasks.
利益の上がるセンターストアをつくり上げることは、 われわれにとって最も難しい任務の一つです。

山田:I think so too.(中級) We can’t ignore price competition.
同感です。価格競争を無視することはできません。

レイノルズ:Our company, with only 12 stores, is too small to enjoy scale merit. (上級)
12店舗の当社はスケール・メリット享受するには小規模すぎます

ストーン:Offering price-oriented private label products is an option. But, we are too small to develop them.
価格訴求型のPB商品を提供することは、一つの選択肢です。 しかし、それら商品を開発するには当社は小規模すぎます。

山田:And, you don’t belong to a voluntary chain. So how do you make your stores competitive in price?
それに、貴社はボランタリー・チェーンにも所属していません。 どのようにお店に価格競争力を持たせているのですか。

 

解説

グロサリー売場にやってきた山田社長。ディスカウンターとの競合対策を学ぶことが目的ですから、ダンデライオン・マーケットの価格政策はぜひとも聞いておきたいところです。とくに価格比較が容易なグロサリー部門での価格政策は外すことができません。今回のスキットのポイントは、価格に関する用語。そして、相手の意見に賛同する言い回しです。「KEYWORD」に別の言い方もご紹介しています。合わせて覚えてください。

このセンテンスを覚えよう!

I think so too. : 「私もそう思います」。「私はそう思う」という I think soの後にtooを足すことで、「あなたと同様に私も」という意 味が加わります。同業者と会話をすれば相手の考えや思いに同感す ることも多いはず。そこで、他の言い回しも合わせてご紹介しておき ます。I agree with you. は、相手の意見に賛成のときに使います。 単に、I agree.と言うこともできます。意見や考え方というよりも感 情的に共感する場合には、I feel the same way. と言います。

Our company is too small to enjoy scale merit. : スキッ トでは、with only 12 stores と our companyの補足説明がつい ていますが、外して構文を単純にしてみました。tooには、先ほどご紹 介した I think so too. のように、「~もまた」という意味があります が、「~すぎる」という意味もあります。too smallで「小さすぎる」。 too small to enjoy scale merit で「スケール・メリットを享受する には小さすぎる」となります。今回のスキットではtoo+A+to+Bとい う言い方が2度登場しています。もう1文も確認してみてください。

 

KEYWORD 一般用語

profitable : profit(利益)にableが付いて、「利益になる」「儲か る」という意味。ついでにもう一つ。profitabilityは「利益性」です。 この3つをセットで覚えることをお勧めします。

competition : 以前のスキットでcompetitor(競合・競争相手)を ご紹介しました。今回登場したcompetitionは「競争」です。小売業 では「価格競争」という言葉をよく使います。これはp r i c e competitionと言います。スキットの最後にcompetitive in priceと いう言い方が出てきます。competitiveはcompetitionの形容詞で 「競争の」「競争に負けない」という意味です。

KEYWORD 流通用語

scale merit : 「スケール・メリット」。日本語としてもすでに定着し ていますね。

price-oriented : 「価格志向の」の意。orientedは「~を志向す る」という意味です。

private label : 「プライベート・ブランド」のこと。アメリカでは、 private labelもしくはhouse brand、house label。イギリスでは、 private labelやown labelという言い方が一般的です。

voluntary chain : 「ボランタリー・チェーン」のこと。