海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第29回は、~~しませんか? ~~に行きませんか?と言ったさまざまな提案をする言い方を覚えていきましょう(これまでの全スキットはこちら)。
今回のシーンと登場人物
ディスカウンターとの競合対策を学ぶため、やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、コーディネーターの大森剛と共に、ダンデライオン・マーケットを訪問。2人は、レイノルズ取締役と旗艦店のストーン店長の案内で店舗を視察し、ウォルマート対策について話を聞く。改装の失敗の打開策を聴き終えたところだ。
登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長
難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し
今週の英会話
レイノルズ:Why don’t we return to the selling floor(中級), so we can show you the rest of departments?
売場に戻りませんか。そうすれば、残りの売場をご案内できます。
山田:Thank you for sharing some valuable information. It was very helpful.(中級)
貴重な情報を共有していただき、ありがとうございます。とても役に立ちました。
レイノルズ:Our pleasure.(初級)
どういたしまして。
ストーン:Shall we get back to the store tour (中級)starting from the prepared foods
調理済み食品売場から店舗ツアーを再スタートしましょう。
山田:Sure, we’d like that.
はい、よろこんで。
ストーン:This is our prepared foods department.
ここが、調理済み食品売場です。
解説
山田社長たちは改装の失敗の打開策について聞き終わり、売場の視 察に戻るようです。今回は難しい単語は登場しません。センテンスに だけ注目してください。まず、「~しましょう」と提案する際の言い方 です。「提案」のための表現といえば、今まで Let’s~ という言い方 が何度かスキットに登場しました。今回はそれ以外の言い方を2つご 紹介します。また、山田社長が Thank you と感謝を述べた後に付 け加えた言葉、そしてレイノルズ取締役の返事にも着目しましょう。
このセンテンスを覚えよう!
Why don’t we return to the selling floor? : スキットでは 長い文章になっていますが、前半部分だけを切りだしてみましょう。 return to the selling floor は「売場に戻る」という意味ですね。そ の前の Why don’t we がポイントです。直訳すれば「なぜわれわれ は~しないのですか」ですが、それは言い換えれば「~しませんか」 という提案と解釈できます。以前登場した Let’s take a break. を この構文で言い換えると、Why don’t we take a break? となり ます。
It was very helpful. : helpful は「有用な」「役に立つ」という 意味です。Thank you の後に、「助かりました」「役立ちました」と ひと言付け加える際によく使うセンテンスです。
Our pleasure. : 話し相手から「ありがとう」と言われて、「どうい たしまして」と答えるときの You’re welcome. 以外の代表的な言 い回しのひとつです。正確には It’s our pleasure. で、直訳すると 「それはわれわれの喜びです」。あなただけにお礼を言われたのな ら、It’s my pleasure. あるいは短く My pleasure と言います。
Shall we get back to the store tour? : スキットでは長い文 章ですが、前半の部分だけを切りだしてみました。get back to the store tour は「店舗視察に戻る」という意味です。get back と return はいずれも「戻る」という同じ意味です。Shall we~? は、映 画『Shall we dance?』でおなじみのとおり、「~しませんか」。Let’s ~ や Why don’t we~ と同じ意味ですが、相手の意思を訊ねる意 味合いが最も強いのは Shall we~? です。