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実践!流通英会話18 “お世辞がうまいですね” “いや、本心だよ”を英語で言ってみよう

海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第18回はコーヒーブレイク中。ちょっとした気の利いたやりとりやカジュアルなやり取りを覚えましょう。簡単なイディオムで表現の幅が広がる便利なフレーズがいくつもあります。(これまでの全スキットはこちら

Photo by Steve Debenport from iStock

今回のシーンと登場人物

やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、ディスカウンターとの競合対策を学 ぶために、コーディネーターの大森剛とともに、ダンデライオン・マーケットを訪問し た。2人は、レイノルズ取締役とともに旗艦店に到着。ストーン店長の案内で、売場の半分を視察したところで、コーヒーに誘われた。。

 

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話

ストーン:Please come in and have a seat.(初級) Make yourselves comfortable.
どうぞお入りになって、おかけください。そして、くつろいでください。

山田:Thank you, Mr. Stone.
ありがとうございます、ストーンさん。

大森:Mr. Stone, have you been the store manager of this store since the renovation?
ストーンさん、改装後ずっと店長をなさっているのですか。

ストーン:Not exactly. I have been the store manager of this store not just since the renovation, but even before.
少し違います。改装後だけでなく改装前も、この店の店長をしています。

レイノルズ:We appointed Ken as the store manager of this newly renovated store because he knows the area and people very well. We were sure that his knowledge could work for our success. And we were right.
われわれがケンを改装店の店長に任命したのは、彼がこの地域や人々をよく知って いたからです。彼の知識がわれわれの成功に役立つと確信していました。そして、わ れわれの考えは正しかったです。

ストーン:You flatter me Tom, but thank you very much.(上級)
お世辞がうまいですね、トム(レイノルズ取締役)。でも、どうもありがとう。

レイノルズ:No, I mean it.(中級) Now, let’s get started with our story.
いや、本心だよ。では、当社の話を始めましょうか。

山田:I can’t wait.(中級)
待ちきれません。

 

解説

前回から店内視察は小休止し、改装直後からの紆余曲折の話を聞く ことになりました。ストーン店長のオフィスで会話が始まります。前回 までは、説明を聞いて、それについて質問をするというパターンでし た。しかし、今回のスキットは雑談といってもいいくらい打ち解けた 会話です。会話に時折、相手の名前をはさみましょう。会話をスムー ズに運ぶ秘訣です。今回の短いスキットの中で、ストーン店長を2度、 レイノルズ取締役を1度、名前で呼んでいます。その使い方をチェッ クしてみてください。ストーン店長は上司であるレイノルズ取締役を トムと呼んでいますが、アメリカの企業の場合、相手が上司でも目上 でも名前で呼ぶのが一般的。私たち訪問者は Mr.~、Ms.~ と姓を 呼ぶところから始めましょう。 

 

このセンテンスを覚えよう!

have a seat. : この文章の前の Please come in の Please はこ の have a seat にもかかりますので、Please have a seat. と覚え てください。「どうぞおかけください」という意味です。「座る」「席に つく」といえばすぐに思い出す Sit down や Take a seat を使うと、 失礼であったり、堅苦しかったりします。人に席を勧める場合には、 Please have a seat ですので、お間違えなく。

You flatter me. : flatter は「お世辞を言う」「へつらう」「実物以 上に美しく見せる」など、悪い意味もあります。しかし、You flatter me になると、「あなたは、私にこびている」という意味だけでなく、 「お世辞を言って、私を喜ばせている」という意味にもなります。この スキットのような状況では、失礼でも悪い意味でもなく、「お世辞がお 上手ですね」「またまた、うまいこと言って!」というニュアンスになり ます。

I mean it. : 「(冗談や誇張やお世辞ではなく)本気で言っています」 の意。あなたの言葉に対して、会話の相手が「お世辞がうまいね」や 「冗談でしょ」などとはぐらかされたときに、本心であることを強調す る言葉です。

I can’t wait. : 直訳すると「待つことができない」。楽しみで、待ち きれないときに使います。「待ちきれません」の意味です。

 

KEYWORD 一般的な用語

renovation : renovate は動詞で「再び良好な状態に戻す」「再 び新しくする」こと。renovation はその名詞で、「修繕」「修理」「改 革」の意味。店の renovation の場合は、古くなった店を新しく改装 することを意味します。イギリスでは、refurbishment(磨き直すこ と)という言葉のほうがよく使われます。店の remodeling は、コンセ プトやイメージを変えるような改装を意味します。