【ワシントン時事】米商務省が29日発表した2023年7~9月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比5.2%増と、速報値(4.9%増)から上方修正された。市場予想(5.0%増)も上回り、景気の強さが改めて示された。
5四半期連続のプラス成長。主な項目では、住宅投資が6.2%増(速報値3.9%増)へ大幅に引き上げられた。連邦準備制度理事会(FRB)の急激な利上げによるローン金利上昇で落ち込んでいた住宅関連だが、底入れしつつあるようだ。
設備投資も1.3%増(0.1%減)にプラス転換。一方、GDPの約7割を占める個人消費は3.6%増(4.0%増)に下方修正された。
米国のインフレ率は昨年半ばのピークから大きく低下したが、FRBの目標の2%を依然上回る。足元の景気は強いものの、FRBは今後の減速を予想しており、12月半ばの次回政策会合では慎重に指標を見極め、追加利上げの是非を判断する構えだ。
◇7~9月期の米GDP改定値
国内総生産(GDP) 5.2( 4.9)
個人消費支出 3.6( 4.0)
設備投資 1.3( ▲0.1)
住宅投資 6.2( 3.9)
輸出 6.0( 6.2)
輸入 5.2( 5.7)
政府支出 5.5( 4.6)
国内最終需要 3.7( 3.5)
GDPデフレーター 3.6( 3.5)
PCE 2.8( 2.9)
PCEコア 2.3( 2.4)
(注)増減は前期比年率(%)、▲はマイナスまたは低下、カッコ内は速報値