【ワシントン時事】米商務省が29日発表した2023年1~3月期の実質GDP(国内総生産)確定値は、季節調整済み年率換算で前期比2.0%増と、改定値(1.3%増)から大幅に上方修正された。米経済をけん引する個人消費や輸出の好調を反映した。プラス成長は3期連続。
米国の需要は依然として旺盛で、インフレ圧力の根強さが改めて示された。連邦準備制度理事会(FRB)は前回会合で利上げを見送ったものの、景気を冷まし、物価安定を図るため、7月下旬の次回会合で追加利上げに踏み切るとの観測が強まっている。
主な項目では、GDPの約7割を占める個人消費が4.2%増(改定値3.8%増)、輸出は7.8%増(5.2%増)にそれぞれ引き上げ。住宅投資は4.0%減(5.4%減)となった。一方で設備投資は0.6%増(1.4%増)と、大きく引き下げられた。
米国のインフレ率は依然、FRBの物価目標である2%を大きく上回って推移している。FRBが1年余りで計5%の急激な金融引き締めを進めたにもかかわらず、経済は堅調を維持。FRBは年末まで0.25%の上げ幅で2回の利上げを行う構えを示している。