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新技術で高齢客サポート=「聞き取りやすさ」模索―金融界

城南信用金庫の本店窓口で軟骨伝導の技術を用いたイヤホンを利用する客
〔写真説明〕城南信用金庫の本店窓口で軟骨伝導の技術を用いたイヤホンを利用する客(右)=4月26日、東京都品川区

 耳が聞こえづらい高齢者を新技術の活用でサポートする試みが金融界で広がり始めた。城南信用金庫(東京)は、軟骨伝導の技術を用いたイヤホンを窓口に設置。明治安田生命保険は、電話での問い合わせに答える職員の声を聞きやすい音声に変換する機器をコールセンターに導入した。会話の「聞き取りやすさ」を高めることで、増加する高齢の利用者に寄り添おうとしている。

 城南信金が着目したのは、「第3の聴覚」と呼ばれる軟骨を振動させて音を伝える技術。頭蓋骨が振動する骨伝導より身体の負担が小さく、音漏れが少ないのが利点だ。

 4月には金融機関で初めて、本店窓口にこの技術を用いたイヤホンを設置した。体験した人からの評価は「聞き返す必要がなく、鮮明に聞こえた」と上々。川本恭治理事長は「画期的な技術があらゆる窓口で広がっていけば」と期待する。城南信金以外では、奈良中央信用金庫も早ければ6月中旬に全店で設置する方針だ。

 明治安田生命は、音響機器メーカーの特許技術を応用し、周波数の限られた電話機でも高音や低音を聞き取りやすく変換する機器を6年かけて実用化した。今年1月に導入。聞き取り調査では、聞きづらさを抱える高齢者の約8割から「聞こえやすくなった」との回答を得た。

 今後は、札幌市や福島市、神戸市をはじめ約450自治体に機器を寄贈する予定。実用化に尽力した担当者は「高齢者に寄り添ったサービスが金融機関以外にも一層広がってほしい」と話している。