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4月企業物価、5.8%上昇=4カ月連続で鈍化―日銀

日本銀行本店
〔写真説明〕日本銀行本店

 日銀が15日発表した4月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は119.8となり、前年同月比5.8%上昇した。26カ月連続のプラスとなったが、伸び率は4カ月連続で縮小し、21年8月以来1年8カ月ぶりの水準となった。政府の物価高対策や輸入物価の下落などを背景に鈍化が続いている。

 企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す。伸びの鈍化傾向について、日銀は「急ピッチで上昇していた昨年の反動が出ている」と指摘した。

 円安の一服で、輸入物価を円ベースで見た指数はマイナス2.9%。契約通貨ベースでも資源価格の下落などからマイナス6.5%となり、いずれも21年2月以来2年2カ月ぶりにマイナスに転じた。

 調査対象515品目中431品目で価格が上昇した。分野別では、飲食料品が原材料費や物流費などの価格転嫁を反映し、7.0%上昇。電力・都市ガス・水道は25.8%、鉄鋼は10.9%それぞれ上昇したが、いずれも前月から伸びは鈍化した。

 日銀は「企業のコスト上昇分も含めた価格転嫁の動きなどを引き続き注視していく」としている。