米カジュアル衣料品専門店最大手、ギャップの創業者、ドナルド・フィッシャー氏(81歳)が9月27日、癌のため死去した。同氏は1969年、妻のドリスさんと共にデニムと音楽レコードを販売するギャップ1号店をオープン。1995年まで最高経営責任者(CEO)を務め、同社を世界的な衣料品チェーンに育てた。2004年に取締役会議長の座を息子のボブ・フィッシャー氏に譲った後も、名誉会長として取締役会のメンバーに残り、経営に関与した。妻ドリスさんと息子のボブ氏は現在も取締役に名を連ねている。
41歳でギャップを創業するまで不動産開発業を営んでいたフィッシャー氏だが、カジュアル衣料のファッション性を高め、新たなライフスタイルを提案したマーケティング戦略は高く評価されている。
近年は業績不振に苦しむギャップだが、日本、英国、フランスなど海外5ヵ国を含め3100店舗以上を展開し、145億ドル(2008年度)に上る売上高は、衣料品チェーンとしては世界最大規模だ。