ローソンの2018年秋冬の商品説明会で、同社商品本部長の藤井均氏が繰り返し強調した言葉だ。
“飽和論”が叫ばれ、客数減少が止まらないCVS業界。
ローソンの19年2月期第一四半期の既存店売上高は対前期比で97.5%。客数の減少を補ってきた客単価も同99.5%と前年を割り厳しい結果となっている。
そんななか、次の一手としてローソンが注力しているのが冒頭の方針だ。これまでの朝昼の利用客を確保しつつ、夕夜間の「食」ニーズを奪取することで売上増を図る。
とくに秋冬に売り出すのが「鍋〆(しめ)」シリーズだ。
野菜が気軽に摂れるメニューとして「鍋」の需要が拡大していることに着目。
商品は2層構造で、
上段に野菜を豊富に使った鍋、
下段にうどん、または雑炊用の米飯が入っており、
鍋の残ったスープをうどんや米飯にかけて食べる「〆まで楽シメる」商品だ。
第1弾として10月30日に
「鶏つくねと鶏だし生姜鍋」(税込498円)
「豚肉のごま豆乳鍋」「牛すき焼鍋」(ともに税込530円)を発売する。
ローソンの購買データによると、
こうした食卓のメーンとなる商品を購入する顧客は、
酒類や飲料、菓子などもついで買いし客単価が高くなる傾向があり、
同社は今後、販売を強化していく方針だ。
SMの本領である食卓メニューの提案にCVSが本格的に攻め込んでいる。(O)