メニュー

今注目の「Googleマイビジネス」集客 – アップガレージが推進するデジタルマーケティングの方法とは

今、「Googleマイビジネス(GMB)」が新たなデジタルマーケティングツールとして注目を浴びている。Google検索を通じて、まだ自社の店舗やサービスをまだ知らないユーザーへも効率よくアプローチできることがその強みだ。GMBを積極的に活用している企業の一つであるアップガレージ(神奈川県/河野映彦社長)に、実際の取り組みについて取材した。

アップガレージ練馬店の店舗外観。

メーン顧客層以外へのアプローチも可能なSNSマーケティング

 車・バイクのパーツ買取、販売を行っているアップガレージは、全国に直営・フランチャイズ合わせて189店舗を構え、リユースパーツ業界で高いシェアを誇っている。同社のデジタル化を担うDX事業部は10月に発足したばかり。新型コロナウイルスの流行によって客足が鈍り、オンラインでの情報発信や集客の必要に迫られたことがきっかけだ。
 オンラインでの情報発信に主に使用しているのはTwitterとLineで、そのほかFacebookや海外向けにInstagramも利用する。今年5月には、動画での情報発信のためにYouTubeチャンネルも開設した。これらのツールの中でもとくにTwitterは、顧客とのコミュニケーションの面で役に立っている。たとえば、10月17日にオープンした「アップガレージ新潟長岡店」(新潟県長岡市)は、河野社長がTwitterを通じて、どこに新規出店して欲しいかを広く尋ねた結果、実際の出店に結び付いた。また、取り扱っている商品の特性上メーンの顧客層は30~40代だが、Twitterでは中学生や高校生からのリアクションが多い。「(普通自動車免許を取得できる)18歳になったらアップガレージに行ってみたい」と、未来の顧客から声が寄せられることもあったという。

SNSから来店へ結び付ける

アップガレージDX事業部の松山拓未氏。

 SNSでの情報発信や、顧客とのコミュニケーションの最終的な狙いは、実際に来店してもらうことにある。アップガレージでは、電話やネット上での仮査定後に宅配便で買取希望パーツを送ってもらう“宅配買取”などの非対面サービスも実施しているが、「あくまで補助的な位置づけで、基本はリアル店舗での接客・コミュニケーション重視」だと、DX事業部の松山拓未氏は話す。
 実店舗へ足を運んでもらうためのストーリーは次の通りだ。まずは、すでにアップガレージを知っており、実際に車やバイクのカスタムをしてその様子をSNSで発信している、いわば“インフルエンサー”的立ち位置の顧客へアプローチし、フォローやリツイートをしてもらう。そういった顧客のフォロワーには、カスタムを始めたばかりの人が多いため、そこからアップガレージを知ってもらうという流れだ。どういう店なのか?を知ってもらうことで安心感を提供したり、SNS限定の販促をしたりすることによって実際の来店を促す。

次世代の集客プラットフォーム「Googleマイビジネス(GMB)」の活用を開始

「カーパーツ」など、関連用語で検索するだけで近隣の店舗一覧が表示される。アップガレージの口コミ数は圧倒的だ。

 今年7月から8月にかけてはGMBの積極的な運用を開始した。GMBとは、あらかじめ企業側が店舗情報を登録しておくことで、顧客がGoogle上で「地域×店舗名」「地域×ジャンル」といったキーワードを検索した際、検索結果の最上部や右側に周辺地域の地図とともに自社の店舗が表示されるもの。ユーザー側は口コミの投稿・閲覧も可能だ。日常的にGoogleで検索するユーザーが多い中で、強力な集客ツールとしての可能性を秘めているが、実際の運用には苦心する点もあった。
 1つは、店舗情報をリアルタイムに更新しなくてはならないという点だ。189店舗分のGMBの登録情報は、直営・フランチャイズ問わずすべて本社で管理しているが、営業時間の変更などの更新が追い付かずクレームの電話を受けたこともあるという。また、効果的な集客のためには口コミへの返信や管理も欠かせないが、一つひとつ対応するためには莫大な時間がかかる。情報の更新は丸一日を要し、口コミの返信には毎日数時間を費やしても全く追いつかないという状況を打開するために、一括での店舗情報の更新や、全店舗分の口コミを一元管理できるGMB管理ツール「Canly」を導入したところ、大幅な作業時間の短縮に成功。現在では一週間に一度まとめて数時間の作業で済むようになった。その分、口コミの集計・分析や店舗への迅速なフィードバックなどが可能になり、結果として顧客満足度を上昇させる効果も表れている。
 こうして最適化されたGMBは着実に実を結んでいる。来店や買取査定の予約はもともとホームページ上で受け付けていたが、GMBにも予約ページへの導線を設けたことで、GMB経由の予約が目に見えて増えたという。どの店に行こうかまだ具体的に決まっていないユーザーに検索を通じて認知してもらい、シームレスに予約まで誘導できるようになったことは集客上大きな役割をはたしている。

質の良い運用がもたらすもの

 SNSやGMBの活用によって、「デジタル経由でのブランドイメージの向上をめざしていく」と松山拓未氏。SNSやGMBがデジタルマーケティングにおいて必須となりつつある現代では、ただ運用するのではなく、迅速できめの細かい運用が必要になってくる。アップガレージは今後も双方向コミュニケーションを深化し続けることで、安心感と信頼のあるブランド構築をめざす。

 

アップガレージ:https://www.upgarage.com/
Canly サービスサイトはこちら https://jp.can-ly.com/