小売や外食チェーンで課題となっているのが、人手不足対策や消費増税と軽減税率制度への対応だ。効率的な店舗オペレーションを推進するための1つの対策として注目が集まっているのが、決済の効率化や省力化につながるセルフ会計システムである。大がかりなシステムではなく、中小チェーンにマッチした省スペースの会計システムも登場している。今回、省スペースながら、拡張性の高さを備えたセルフ会計システムを導入したゴーゴーカレーの事例をレポートする。
既存の券売機の入れ替えと今後の拡張性を考慮したセルフ会計システムの選択
2003年設立のゴーゴーカレーグループは、日本国内にとどまらず、アメリカとブラジルでもカレー店のチェーン「ゴーゴーカレー」を展開している。同社の心得の1つには「1秒でも早く美味しいカレーを笑顔で提供します!」があり、効率的な店舗オペレーションは同社のキーポイントとなっている。
そして、今回の消費増税と軽減税率制度導入を受けて、同社はキャッシュレス決済を視野に入れたセルフレジの検討に入った。今までは通常の券売機を採用していたが、その中で課題となっていた設置スペースの問題や、導入や買い替えコスト、ランニングコストの見直しができる会計システムを探していた。
そうした中で、2019年5月に「ゴーゴーカレー大手町日本ビルパーク」でOkageのセルフレジを初めて導入した。同店は東京サポートセンター(本部)と同じビルにあり連携が取りやすいことから、新商品や機器類のテスト店舗としての役割を担っている。セルフレジ導入当初は、他社の自動つり銭機を採用していたが、ランチタイムなどのピーク時につり銭切れが多発。代替品を探す中でたどり着いたのが、日本コンラックスの自動つり銭機「Pay Cube」だった。
開店前に1日1回、貨幣を補充しておけば、ピークタイムでもつり銭切れの心配がないことが確認されている。つり銭切れは店舗オペレーションに支障をきたす大きな原因となることから、合格点のセルフレジとして順調に稼働している。
カウンターに載ってしまうほどの省スペース設計も魅力だ。店舗によっては、入口通路が狭く券売機の設置に苦労することもあるが、その心配がなく、店舗スペースを有効に活用できる点もメリットになっている。また、導入コストやランニングコストとともに、将来的な拡張性なども魅力的だったという。
同社は、2019年10月にオープンした「ゴーゴーカレープレナ幕張スタジアム」でもセルフレジを導入。今後、新店舗オープンはもちろん、既存店の券売機の買い替えの際など、随時セルフレジへの切り替えを検討している。同社が選択した自動つり銭機「Pay Cube」を採用したセルフ会計システムの導入事例の詳細は、特別レポートで紹介している。