「店番長」導入ケーススタディ:東急ストア
東急ストア(東京都、須田清社長)は、本部から店舗への業務指示の課題を解決するために、約1年前にリンコムの「店番長」を導入した。業務指示の効率化や店舗での実行力は、フィードバックの「見える化」によって向上。操作が直観的でわかりやすいという点も、大きなポイントであり、使い勝手のよいシステムとして、店舗スタッフからも高評価を得ている。
導入前のテストで機能の使いやすさを実感したシステム
東急ストアでは、以前の業務指示は主にメールで行っていた。メールは、手軽に送信できることから、本部がとりあえず連絡しておきたいものも含めるため、大量送信となることがあった。店舗側にとっては、業務指示以外にもメールを多数受信しており、本部からの業務指示の把握が難しい状況になることも多々あった。
また、業務の実行に関しては、本部からの指示を店舗側が確認しているのか、そして、実行しているのかが把握できないこともあった。本部、店舗の双方にとって、メールを確認して、業務を実行し、都度報告や確認を行うのは、負担となる側面もあった。
このような業務指示の課題解決が必要と考えているときに、東急グループ全体で活用していたグループウエアの見直しが行われることになった。当初は、東急ストアも、グループ企業全体で採用するシステムの導入を考えていたが、業務指示の改善という課題解決には疑問が残っていた。
そこで、東急ストア独自で採用するシステムの検討が始まった。経営統括室 情報システム部長の鈴木恵介氏は「選定基準としたのは、スーパーマーケットの業務指示に特化した、シンプルで誰もが使いやすいシステムでした。多機能でも設定が難しく、使いこなせなければ意味がありません」と話す。最終候補として残ったのがリンコムの「店番長」であった。
そして、5店舗を対象とした最終検討テストが行われた。経営統括室 情報システム課長の河西雄介氏は「テストの評価は、本部も店舗も、これは便利で使いやすいというものでした。すぐにでも導入してほしいという声を受けて、東急ストアでの導入を決めました」と語ってくれた。
業務指示の課題を解決する「見える化」システム
「店番長」は、直観的に誰もが使いやすいシステムであることから、「スムーズに導入でき、使い方に関する質問も、ほとんど来ることがなかった」(鈴木部長)。
以前、本部から業務指示のメールを送る場合は、個人IDがなかったために、各店舗の部門宛てと店長宛ての2通を送信していた。そのうえ、メールを見ているのか、伝わっているのか、そして実行されているのかがわかりにくい状態だった。「店番長」の導入によって、店舗では業務指示が優先順に並べられ、一覧できるので、把握しやすくなった。
さらに、期限が近づくと実行されていない指示についてのお知らせ機能もある。また、本部では各店舗の業務指示の実施状況の把握や、実行率の「見える化」が実現。さらに、誰が、どのような業務指示を出したのかまでも、本部全体で一元管理できることもポイントだ。「本部も店舗で確実に業務を実行してもらう責任があるので、闇雲に指示を出すのはNG」と鈴木部長は話す。
誰からどのような業務指示が出され、それを受け店舗で指示が実行されたかが把握できるシステムであるため、無駄が軽減され、業務全体の効率化や店舗の負担を軽くすることに大きく寄与している。
導入から約1年が経過し、「今後は業務指示の内容や量を見直し、店舗負担を考慮した効果的かつ効率的な指示のあり方を考えていきたい」と鈴木部長は語ってくれた。