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セブン-イレブン、街中でドローン配送の衝撃!本格運用に向け郊外で実証実験を開始

セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長)は、改正航空法の 2022 年内施行を見据え、有人地域でのドローン(小型無人機)による商品配送の実証実験を12 月3 日から19 日にかけて行う。「セブン-イレブン ネットコンビニ」経由で受注した商品を店舗でドローンに積み込み、所定の受け取り場所まで無人ドローンが配送するシステムを実装するための実証だ。

有人地帯での目視外飛行が2022年内に可能に

 この実証実験は東京都の「ドローンを活用した物流サービス等のビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に採択されたもので、プロジェクトにはセブン-イレブン・ジャパンのほか、ANA ホールディングス、ドローン専業メーカーのACSL(いずれも東京都)の計3社が参加している。

 ドローンによる荷物配送は、18 年に無人地帯での目視外飛行(レベル3)に係る制度が整備されたことで、離島や山間部、過疎地域に限って実現していた。目視外飛行とは、機体が操縦者の目視の範囲を超えて飛行することを指す。さらに、22年に施行される改正航空法では、登録されたドローンの有人地帯での目視外飛行(レベル4)が可能になる。この実証実験はそれを見据え、街中でのドローン配送サービスの課題や条件を探るのが目的だ。

 実証が行われるのは東京都の多摩地域西部にある日の出町(人口約1万7000人)で、「セブン-イレブン日の出大久野店」から日の出町内の4つの配送地点へ、実際に注文があった商品をドローンで配送する。利用者が「セブン-イレブンネットコンビニ」から日の出大久野店の取扱商品を注文、4か所ある配送地点 (日の出団地2号公園、日の出団地3号公園 、肝要の里、大久野病院 )のうち便利な地点を選んで指定する。同店駐車場内の発着場から商品を搭載したドローンが配送地点に向かって飛び立ち、配送地点に着陸した後自動で荷物を切り離して飛び去る。配送地点で待っていた利用者は自分あての荷物を宛名などで確認して受け取る仕組みだ。

ドローン配送に使用される段ボール箱


 1梱包5kgまで配送が可能で、超える場合には分割しての配送も可能。実証実験はドローン2台で行い、オーダーから最短30分で配送地点に荷物が届く。実証実験時の最低注文金額は300円、配送料金は110円となっている。サービス提供時間は9:00〜16:00の予定だ。

実装に向け今回検証する4つの項目とは

 セブン-イレブンは今回のサービス実証で下記の項目を検証する。

 今後のサービス本格運用を想定して実験を行い、どのような課題があるかを探ることになる。

小売業にとってのドローン配送の可能性は?

 今回の実証実験に参加するANA ホールディングスは、ドローンの遠隔運航・管理、配送通知を含む配送管理システムを担当する他、本実証のとりまとめを行う。ACSLは、ドローン機体の提供および運航サポートを担当。ドローンの上空飛行に係るLTE (次世代高速携帯通信規格)ネットワークは、NTT ドコモが提供する。

 ANAホールディングスは2016年から「ANAドローンプロジェクト」を立ち上げ、「空の知見を活かしたドローン総合オペレーションを行い、安心・安全なドローン物流社会の実現」を目指しているところだ。これまでに福岡県福岡市や長崎県五島市で無人地帯での目視外飛行(レベル3)実証実験を行っており、2022 年度のレベル4 解禁を目処としたドローン配送サービスの事業化にむけて、継続した検証を実施している。

 小売業は物流において、ドライバー不足や交通渋滞という難問を抱えて久しいが、ドローンによる配送の実用化はこの2つの課題を同時に解決する。改正航空法によるレベル4(有人地区での目視外飛行)の実用化によせられる期待は大きい。

 ほかにドローン配送を検証している例として、楽天グループ(東京都/三木谷浩史会長兼社長)は、16年にプロジェクト「Rakuten Drone」を立ち上げ実用化に向けた実証実験を重ねている。その第4弾として、21年1月には三重県志摩市の離島・間崎島と本土の「マックスバリュ鵜方店」において、ドローンによる配送の実証実験(レベル3)を成功させた。8月には長野県白馬村の山岳エリアでも2カ月にわたって第5弾の実証実験を行っている。

 「近くて便利」をコンセプトに全国に2万店以上展開するセブン-イレブンはこの実証実験を、ドローンによる人手を抑えた配送サービスの実現や、僻地での配送など、利便性の更なる向上に役立てたい考えだ。