ライフコーポレーション(東京都/岩崎高治社長:以下、ライフ)は2023年4月17日、大阪府門真市に「セントラルスクエアららぽーと門真店」(以下、ららぽーと門真店)をオープンした。本記事ではららぽーと門真店における最新MDについて解説する。
近畿圏では8年ぶりの「セントラルスクエア」業態として出店
ららぽーと門真店は、京阪本線・大阪モノレール「門真」駅から南東に徒歩約8分、同日開業の大型ショッピングモール「ららぽーと門真」内に出店した。ららぽーと門真は約251店舗の専門店からなり、この目玉テナントとなるのが 近畿圏では8年ぶりとなる「セントラルスクエア」業態のららぽーと門真店だ。
セントラルスクエアは既存店と差別化を図る広域型フォーマットとして開発され、標準店と比較して充実した品揃えで「わくわくするような」賑わいのある売場が特徴だ。「『毎日が誰かの記念日である』という考えで、通常であれば休日にしか置かないような特別感のあるMDも常時品揃えしている」(広報担当者)。また、実験販売の場としても機能しており、同業態で人気のある商品は「ライフ」業態の店舗でも販売される。
ライフ広報担当者は「セントラルスクエア業態であることに加え、お客さまが楽しさを求めて来店するららぽーとへの出店ということで “尖った”品揃えにしている」と話す。その言葉のとおり、売場にはこだわりのMDが並ぶ。詳しく見ていこう。
ららぽーと門真店の“尖った”MDとは…
まず、鮮魚売場には幅約2.7mの生簀を据え、毎朝神戸市中央市場や明石近郊の市場から直接仕入れた魚を用意する。この新鮮な魚をすぐに活け〆したのが、高価格帯の「極み鮮度のお造り」だ。通常は2、3日寝かすことでうまみや柔らかさを引き出すところをあえてすぐに調理し、ピンと張った状態で提供する。そのため、「新鮮な魚ゆえの力強い歯ごたえを楽しんでいただくため、薄造りにしている」(広報担当者)。
また、鮮魚の総菜として寿司と揚げ物をコーナー化し、独立させている。寿司コーナーの「うを鮨」シリーズは水揚げから一度も冷凍していない魚を使用することで、魚本来のうまみを楽しめるようにした。魚の揚げ物コーナー「さか菜亭」でも、同様に冷凍していない素材を使い、ふわっとした食感と風味の良さを実現している。
そのほか酒類売場では、ペットボトルに入った「ペットボトルビール」(各500ml 税込850円)を販売する。4種あるラインナップのうち、ドイツのクラフトビールブランド「シュヴァルツブロイ」のフルーティーな白ビール「ヴァイスビアへレス」は、日本で初輸入された商品だ。
いずれの商品も樽で買い付けており、店頭に並べる前日にペットボトルに充填して販売する。
既存店で人気の高価格帯商品もレギュラー化
入口付近で展開する対面販売のジェラートは、東京・銀座のジェラート専門店「マリオジェラテリア」と共同開発をした商品を販売する。ライフオリジナルの「黒ごま」「抹茶」(いずれもSサイズ380円、Mサイズ580円)を含む、12種が揃うジェラートは乳化剤・安定剤を使用しておらず、一部は乳・卵不使用だ。
さらに旗艦店である「セントラルスクエア西宮原店」(大阪府大阪市:以下、西宮原店)の実験販売で好評だった商品も販売する。たとえばインストアベーカリーでは高価格帯の「ホイップクロワッサン(ストロベリー)」(250円)や「クロワッサン(アーモンドチョコ)」(180円)が西宮原店で好評だったことを受け、ららぽーと門真店では対面販売コーナーでレギュラー商品化した。クロワッサンは店内で成形し、焼き上げている。
こうした“尖った”品揃えを展開する一方で、プライベートブランド「ライフスマイル」をはじめとした価格訴求商品にも力を入れており、「ハレの日はもちろんのこと、日常的にも使っていただける店をめざしていく」(広報担当者)。
ららぽーと門真店は年間売上目標を30億円に設定し、さらに近畿圏の旗艦店となることをめざす。開店当初、40億円を目標としていた西宮原店が今では年商約70億円に成長していることを踏まえると、売上目標の達成は難しいことではないだろう。近畿圏では8年ぶりとなる「セントラルスクエア」業態の今後に期待が集まる。