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東北最大級のSC、イオンモール新利府 地域密着をテーマにした北館のリニューアルをレポート

イオンモール(千葉県/岩村康次社長)は7月2日、宮城県宮城郡のショッピングモール「イオンモール新利府 北館(以下、北館)」をリニューアルオープンした。このリニューアルによって、3月5日にオープンした「イオンモール新利府 南館(以下、南館)」と合わせ、東北最大級のショッピングモールが誕生した。本記事では、新生・イオンモール新利府 北館の様子をレポートする。

地域のニーズを充足する北館

 イオンモール新利府は、JR東北本線「利府」駅より徒歩約20分。現在の北館は、2000年4月「イオン利府ショッピングセンター」として誕生し、その後11年に「イオンモール利府」に改称。20年の営業を経て、リニューアルのために21年1月末で営業を休止し、「イオンモール新利府 北館」として今回生まれ変わった。3月にオープンした南館とは県道8号を挟んで隣接しており、北館1Fと南館2Fを繋ぐ連絡通路もリニューアルに合わせて設置された。

 北館の総賃貸面積は約3万4000㎡とショッピングモールとしてはコンパクトな面積だが、丸々増床というかたちになった南館の総賃貸面積が6万9000㎡で、合わせると約10万㎡の東北最大級の商業施設となる。

 北館・南館ともに、「『LIVE FULL DAYS』“毎日の生活をもっと楽しく、もっと素敵に”」をコンセプトに掲げているが、それぞれの館でめざすところはやや異なっているという。南館はアミューズメント施設や提案型のテナントが多く入居し、広域からの集客をめざす。対して北館は地域密着型で、地元の人々が日常をより便利に過ごせるためのモールづくりを行っている。その違いはそれぞれの核店舗にも現れており、南館の核店舗としてはイオンリテール(千葉県/井手武美社長)の運営する「イオンスタイル新利府」が、北館の核店舗としてはマックスバリュ南東北(宮城県/大南淳二社長)の運営する「ザ・ビッグ新利府店」が入居している。広域集客のコンセプトに合わせ、より提案型の食品スーパー(SM)を核店舗とした南館と、日常の買い物として低価格路線を訴求するディスカウント型SMを核店舗とした北館のねらいの違いは明らかだ。

北館核店舗の「ザ・ビッグ新利府店」

大型専門店でワンストップショッピングを実現

 館内は全体として植栽が多く配置された落ち着きのある雰囲気で、至るところにサイドテーブル付きの椅子やソファが設置されており、ゆったりと買物を楽しむことができるよう配慮されている。

 北館に入居する専門店は合計80店舗で、うち32店舗が新規店舗、20店舗が地元企業だ。新規かつ地元企業として入居した「こもれび…」は、新鮮な産直野菜など厳選された生鮮食品を販売する。向かいに位置するザ・ビッグ新利府店が利便性や価格をより重視した品揃えをしていることと合わせ、この一角で食品へのあらゆるニーズに応える。

大型専門店のダイソー。県内最大級の約2500㎡での出店となった

 他の専門店では、家具・インテリアの「ニトリ」、100円ショップ「ダイソー」、家電量販店の「コジマ×ビッグカメラ」など、地域密着のコンセプトに合わせた日常的に必要なアイテムを取り揃えたテナントが目立つ。これらはいずれも大型店舗で、ニトリは約5400㎡、ダイソーは県内最大級の約2500㎡、コジマ×ビッグカメラは約2700㎡での出店となった。他にも、ドラッグストア「ウエルシア」や、ペット専門店、書店、リサイクルショップなどが入居し、ワンストップで日常の買物が完結する利便性を備えている。

デジタルで利便性を高める

 デジタル面での取り組みも多く採用した。1つは、広大な面積かつ2つの館に分かれているという特性上欠かせない、専門店検索などが行えるタッチパネル式のインフォメーションだ。また、館内15カ所に設置したデジタルサイネージでは、フードコートの混雑状況など、リアルタイムな情報を提供する。

館内随所に、さまざまなタイプの休憩スペースが設けられている(写真左)。植栽が豊富で、落ち着いた雰囲気だ。写真右は館内に多数設置されているデジタルサイネージ

 インフォメーションカウンターには、「AIインフォメーション」を設置下。窓口混雑時でも利用しやすい環境を目指したもので、施設案内や交通案内などの情報を提供する。ほか、他イオンモールでも順次導入されている「お客さまの声」のデジタル化も取り入れている。デジタルを活用した感染防止にも積極的に取り組む。来館カウントシステムにより常に在館人数を確認しており、館内各所のデジタルサイネージに館内の混雑率が表示されるようになっている。混雑率はイオンモールアプリからも見ることができ、出かける前に混雑状況の確認が可能だ。

 北館のリニューアルオープンについて、「日常のニーズを充足する北館は、毎日でも来館してもらえる存在にしていければ」と広報担当者。地域のありとあらゆるニーズを充足する北館に注目が集まる。