2020年は新型コロナウイルス(コロナ)の影響で、外食が難しくなり、消費者の食ニーズは大きく変化した。そうしたなか加速しているのが、食にまつわる新たな業態開発だ。そこで今回のストア・オブ・ザ・イヤーでは「新業態」部門を設置。新たな食ニーズを奪取するべく開発され、業界関係者から高い評価を得た上位5店を発表する。
テイクアウトや宅配強化の店舗開発進む
新業態部門1位に輝いたのは、コンビニエンスストア(CVS)のミニストップ(千葉県/藤本明裕社長)が開発した「MINI SOF(ミニソフ)」だ。同店は、ミニストップが新たな成長の柱とするべく、看板商品のソフトクリームを専門店化した業態だ。2020年3月に1号店を出店し、21年2月末現在ですでに関東・東海・関西に計14店を展開している。
CVSの枠にとどまらず、人気商品に特化した専門店を開発し果敢に成長を遂げようとしている点とともに、スムージーやシェイクなどの従来のドリンクとは異なるのどごしを追求した「のむソフトクリームパフェ」といった独自性の高い新商品開発を行っている点も高い評価を得た。
2位は、愛知県岡崎市にあるローカル食品スーパー(SM)の大和(愛知県/大山皓生社長)が開発したフルーツサンド専門店「ダイワ」だ。18年に2代目として就任した大山社長が、SMが強みとする青果をふんだんに使用し、ボリューム満点のフルーツサンドを開発。これがSNSで爆発的な人気を獲得したことを受け出店した専門店だ。愛知、東京、京都、福岡でカフェ業態も含めて計9店を展開し、行列をつくる人気店として全国的な注目を集めた。なかでも若い世代のニーズをとらえる同社の商品開発力と販促手法に高い関心がよせられた。
コロナ禍では激変する食ニーズをとらえるべく大手流通グループも新業態開発に動いた。
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