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ストア・オブ・ザ・イヤー1位は、猛烈な安売り攻勢でお客の心をつかんだ関西1号店

見るべき店大

1位 ロピア 寝屋川島忠ホームズ店

授賞理由

●勢いがすごい
●商品のボリューム、目に訴えてくるPOPなどに驚く
●とにかく安い。ここまで安いと毎日行きたくなる
●関西初出店、意気込みを感じる
●衝撃的な価格、集客力抜群の目玉商品。関西にはないスタイルだ
●精肉を中心に満足度が高い
●関西で地盤を築くため強烈な戦略をとっている

●オープン日: 2020年9月29日
●所在地: 大阪府寝屋川市日新町3-15
●アクセス: 京阪電気鉄道京阪本線「香里園」駅より徒歩約15分
●営業時間: 10:00~20:00
●売場面積: 約700坪(歩測)

最新の商品政策で“稼ぎ頭”をめざす

 射止めたのは、ロピア(神奈川県/高木勇輔代表)の関西1号店「寝屋川島忠ホームズ店」だ。

 「今、最も勢いのあるスーパー」との呼び声も高く、強烈な低価格攻勢と高速出店によって首都圏で勢力を急拡大する同社。2020年2月期の売上高は対前期比17.6%増の1595億円と、近年の食品スーパー(SM)業界では類を見ない急成長ぶりを見せている。

 16年頃から積極出店に乗り出した同社は年間5~6店舗のペースで出店しており、19年には8店舗を出店。21年2月期に入ってからも、その勢いは衰えを知らず、さらなる成長の場として食指を伸ばしたのが関西だ。20年9月29日、大阪府の北東部に位置する寝屋川市に「ロピア寝屋川島忠ホームズ店」(以下、寝屋川店)をオープンした。

 寝屋川店は、京阪電気鉄道京阪本線「香里園」駅の南西約1㎞、島忠(埼玉県/岡野恭明社長)が運営するホームセンター(HC)「ホームズ寝屋川店」の1階部分にある。交通量の多い国道170号線沿いにあり、クルマでのアクセスにも優れている。

 首都圏で多数の実績があるHC内への出店となった同店。売場面積は首都圏の「ららぽーとTOKYO-BAY店」(千葉県船橋市)、「港北東急SC店」(神奈川県横浜市)、「ららぽーと海老名店」(神奈川県海老名市)に匹敵する規模となっている。これらはいずれもロピアの“稼ぎ頭”的な店舗であり、同社からすればそれだけの力を発揮できる自信があるということだろう。

驚異の低価格でSM激戦区に参入

 同店の周辺は1km圏内に4万人以上が居住する“分厚い”商圏が広がるが、平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)、万代(大阪府/阿部秀行社長)など関西を地盤とする有力小売がひしめくSMの激戦区でもある。

 同店の売場スペース構成比は、生鮮4品が35%、和日配が18%で、加工食品が28%、菓子が11%、酒類が8%。入口から続く主通路沿い約270坪(歩測)のスペースでは、首都圏の店舗でもおなじみの、青果、鮮魚、総菜、精肉が一体となった“生鮮ゾーン”を展開する。また、冷凍食品を重要カテゴリーと位置づけており、弁当関連は91SKU、餃子は9SKU、唐揚げは13SKUを揃えるなど品揃えも豊富だ(いずれもオープン時)。

 周辺競合店との価格比較で、ロピアの安さが際立つのが、日配品と加工食品。日配品では購買頻度の高い商品を驚異の低価格で提供している。オープニングセールでは、生鮮食品だけでなく、定番のナショナルブランド商品も目を疑うほどの低価格で提供しており、ロピアの猛烈な安売り攻勢にお客も好意的な反応をみせていた。

 ロピアでは24年度に売上高3000億円、31年度にグループ売上高1兆円を目標に掲げている。関西での出店数がどれほどになるかは未知数だが、寝屋川店に続き、すでに「尼崎島忠ホームズ店」(兵庫県尼崎市)、「鶴見島忠ホームズ店」(大阪府大阪市)を出店。今春には「大阪ベイタワー店」(大阪府大阪市)のほか、奈良県1号店となる「ミ・ナーラ店(仮称)」のオープンが決まっている。今後は首都圏よりも出店余地の大きい関西での出店が多くなる可能性もありそうだ。

 首都圏と同様に、今後は関西でもロピアの激しい出店攻勢が見られるか。凄まじい集客力を見せつけ、ロピア関西進出の先陣を切った寝屋川店がストア・オブ・ザ・イヤーに輝いた。