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ライフのオーガニックスーパー「ビオラル」首都圏1号店、 丸井吉祥寺店の売場づくりを解説!

ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)は20201219日、東京都武蔵野市にある商業施設「丸井吉祥寺店」の1階に「ビオラル丸井吉祥寺店」(以下、丸井吉祥寺店)をオープンした。同業態としては2店舗目、首都圏では初の店舗となる同店は、どのような売場づくりに取り組んでいるのか――。

4年半ぶりの出店

ビオラル丸井吉祥寺店

 「ビオラル」は「オーガニック」「ローカル」「ヘルシー」「サスティナビリティ」をコンセプトに掲げるライフの自然派食品スーパー(SM)だ。166月に1号店の「ビオラル靭店」(大阪府大阪市:以下、靭店)を出店後、181月には改装も実施。近年はライフの既存店に「ビオラル」の商品を集積したコーナーを設けるなどの取り組みも行っていた。丸井吉祥寺店は「ビオラル」業態として約4年半ぶりの新店で、首都圏では初の店舗となる。

 丸井吉祥寺店の売場面積は272㎡で、取り扱い商品は約4000アイテムとなっている。靭店の964㎡と比較するとかなり小規模な店舗だ。丸井吉祥寺店ではどのような売場づくりを行っているのか。写真とともに見ていこう。

対面販売を導入した総菜売場

 まず注目したいのが、総菜売場に設けた対面販売方式の「サラダ&おかず」コーナーだ。丸井吉祥寺店で初導入した取り組みで、化学調味料を可能な限り使用せずにつくったサラダやおかずを量り売りで提供する。「大豆ミートのメキシカンサラダ」(100g当たり328円:以下、本体価格)や、「あまに鶏とグリーンピースのココナツカレー」(同348円)など、幅広いメニューを展開している。

丸井吉祥寺店で初導入した対面販売方式の「サラダ&おかず」コーナー

 平台で展開する米飯類でも、健康志向の商品を多数品揃えしている。有機玄米を使用し、着色料・保存料不使用の味噌ダレで焼き上げた「有機玄米の焼きおにぎり(善光寺門前みそ)」(1168円)や、大豆ミートを使用した「黒米と大豆ミートのキーマカレー」(598円)など、こだわりのメニューが並ぶ。

健康志向のおにぎりも多数取り扱っている

吉祥寺の隠れ家的ビストロのスイーツも展開

 青果売場で展開する「オーガニックナッツ&オーガニックドライフルーツ」も丸井吉祥寺店で初導入した取り組みの1つだ。専用の袋(小サイズ680円、大サイズ1280円)に有機のナッツやドライフルーツを詰めることができる。

丸井吉祥寺店では、オーガニックのナッツ・ドライフルーツを専用の袋に詰めて購入することができる

 また、青果売場では店舗のある武蔵野市近郊の野菜を中心に「東京野菜」コーナーを設けているほか、スイーツでは吉祥寺の隠れ家的ビストロ「パッサテンポ」のマドレーヌを取り扱うなど、地域商品の導入も積極的に進めている。

吉祥寺のビストロ「パッサテンポ」のマドレーヌ

売場各所にPBを差し込む

 イートインコーナーを併設した「BIO‐RAL Café(ビオラルカフェ)」では、旬の果物・野菜を使用したスムージー、乳化剤不使用のジェラート、有機コーヒーなどを楽しめる。

「ビオラルカフェ」で注文できる乳化剤不使用のジェラート

 そのほか、業態名と同じ名称のプライベートブランド(PB)「ビオラル」の商品を売場各所に差し込んでいる。「無塩せきあらびきウインナー」(198円)や「低温殺菌牛乳」(278円)など、同PBのアイテム数は約100アイテムで、広報担当者によると現在も商品開発を加速させているとのことだ。

プライベートブランド「ビオラル」の「低温殺菌牛乳」(278円)

 「ビオラル」の首都圏での認知度はまだそれほど高くないが、コロナ禍で消費者の健康志向は確実に高まりつつある。こうしたニーズの高まりを追い風に、健康志向の商品に特化した「ビオラル」のようなSMが台頭していく可能性は低くはないだろう。実際、1号店の靭店の20年度上期売上高は対前年同期比約140%を記録し、黒字化を果たしたという。ライフの岩崎社長は20年末の会見で「将来はビオラル事業だけで売上100億円の規模にしたい」と発言しており、今後同社はますます「ビオラル」に力を入れていくとみられる。