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ホームセンター「ストアオブザイヤー2020」第1位のダイユーエイト福島西店がスゴい!

2019年1月~12月にオープンした店舗(改装含む)の中で、ホームセンター(HC)業界関係者から最も注目された店舗を選出するストア・オブ・ザ・イヤー。第1位の栄冠に輝いたのは、ダイユーエイト(福島県/浅倉俊一社長)の新たな旗艦店舗「ダイユーエイト福島西店」だ。福島西店はどのように業界関係者をうならせたのか、同店舗の魅力を紹介する。

ストア・オブ・ザ・イヤー2020の第1位に選ばれた「ダイユーエイト福島西店」

体験重視、専門性強化で
ファミリーを取り込む

20191月~12月にオープンした数あるホームセンター(HC)の中から「ストア・オブ・ザ・イヤー2020」第1位に輝いたのは、「ダイユーエイト福島西店」だ。専門性の高い売場づくり、体験を重視したサービスが投票の決め手になったという声が多かった。

同店は1910月にオープンした、ダイユーエイトの新たな旗艦店舗という位置づけ。199511月にオープンした「ダイユーエイト八島田店」を199月に閉店させ、スクラップ&ビルドで出店した。

売場面積は同社最大級の約2000坪。ダイユーエイトの一番店にするため、オープンまで約2年間準備を重ねてきた。

福島西店の最大の特徴は、新たな顧客として3040代のファミリー層をターゲットとしている点だ。「一番店になるため、これまで得意としてきた50代以上の客層にターゲットに絞るのではなく、3040代の新規顧客を獲得できるような店舗づくりを意識した」とオープン日の取材時、同社の取締役商品部長の氏家浩史氏は語った。

また、旧店舗の跡地には、国内最大級のペットショップ「アミーゴ福島西店」(1912月オープン)と、同社初となるプロ向け専門店「エイトプロ福島西店」(202月オープン)を展開し、3店舗合わせた地域づくりにより、広域からの集客を図っている。

アレンザグループの
シナジーを発揮

同店のコンセプトは大きく2つある。

1つは「『来て』『見て』『触って』体験できる、体験型の店舗創り」だ。今回、電動工具を貸し出し、買った商品をその場で加工できるDIY工房「エイトクラフト」と、ガーデン関連のイベントを行う「園芸教室」を同社として初めて設置した。それぞれ週に2回イベントを行っており、利用客は親子連れや女性が多い(現在は休止中)。

DIY教室を開いたり、工具の貸し出しを行う「エイトクラフト」
同社初となる園芸教室用のスペースを導入

2つめのコンセプトは、「ライフスタイル提案型の売場創り」である。それを実現させるために、アレンザホールディングス(福島県/浅倉俊一社長)傘下のホームセンターバロー(岐阜県/和賀登盛作社長)と、タイム(岡山県/吉原重治社長)のノウハウを集約し、各カテゴリーの専門性を強化した。

アウトドア売場は、ホームセンターバローに習う。同社が展開している「アウトドアワールド」の運営方法や品揃え、売場づくりのやり方を、「ホームセンターバローメガストア稲沢平和店」(愛知県稲沢市)で学んだ。今年6月に「ダイユーエイト仙台茂庭店」(宮城県仙台市)で実験的に導入し、とても好調だったため、福島西店で横展開した。

同売場では、「コールマン」や「ロゴス」といったアウトドアメーカーのブランド品やナイフがよく売れるという。

アウトドア売場はグループ企業のホームセンターバローを参考にした

インテリアガーデン売場は、タイムのノウハウを注入し、「インナチュレ」を展開。担当者は1カ月間、タイムの店舗で研修を受け、売場づくりや運営方法を学んだ。インナチュレでは専用レジカウンターを設置し、ラッピングのサービスも行う。

インテリアガーデンはタイムを参考に売場を展開している

旧ダイユー・リックホールディングスとバローホールディングス(岐阜県/田代正美社長)の経営統合には、業界の多くの人が驚かされた。また、統合から約半年で福島西店のようなグループの総力を合わせた店舗づくりが行われたことが多くの人に衝撃を与えた。