アクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長:以下、アクシアル)傘下の原信(同/丸山三行社長)は2025年3月20日、「原信阿賀野店」(以下、阿賀野店)をオープンした。近隣にあった「水原(すいばら)店」を閉店・移転するかたちで、総菜やインストアベーカリーを中心に「原信でしか買えない商品」を拡充している。本稿では総菜にフォーカスし、同店の商品政策(MD)をレポートする。
30~40代のヤングファミリーをねらい即食商品を強化

阿賀野店は、JR羽越本線「水原」駅から1.1kmの距離にある。旧水原店からは北西に1.4km離れているが、駅周辺に広がる戸建ての住宅街に近づいたかたちだ。同じ敷地内には「マツモトキヨシ阿賀野店」「セリア阿賀野店」なども出店し、近隣型ショッピングセンターを形成する。
同店では足元商圏のほか、店舗近くでバイパスの延長工事が25年中に完了することに伴い、5㎞圏内からのクルマでの来店も見込む。そのうえで30~40歳代のヤングファミリー層をメーンターゲットに据え、需要の高い即食商品を強化する方針を打ち出している。
その方針の核となるのが総菜強化の取り組みだ。阿賀野店では旧水原店よりも製造キャパシティを向上させたことで、最新のMDを投入。なかでも、生鮮各部門が連携しながら開発・販売する生鮮総菜のアイテムを大きく拡充した。
焼き立ての予約販売も行う「ナポリピザ」シリーズ
入店してまず目に飛び込んでくるのは、店内で販売する新鮮な素材を使用し、インストアで焼き上げる「ナポリピザ」シリーズだ。
阿賀野店では「マルゲリータ」「ゴルゴンゾーラとはちみつのピザ」(Sサイズ各380円、Mサイズ各680円)、「新潟県産トマトソースの生モッツァレラピザ」「照り焼きチキンとベーコンきのこピザ」(Sサイズ各450円、Mサイズ各880円)の計4種類をラインアップ。3日前までに予約すれば、指定の時間に焼き立てのピザを提供するサービスも行っている。


ピザはこのほか、24年11月開業の「原信呉羽店」(富山県富山市)に続き、厚さ約3cmの生地が特徴の「シカゴピザ」を導入。取材時は「シカゴPizzaポテトDip」「トリュフ香るシカゴピザ(shrimp)」(各480円)を販売していた。
また、「手造りおはぎ」は入口前と総菜売場の壁面で展開。味は定番の「粒あん」のほか、「くるみおはぎ」(298円)も揃える。「粒あん」「ごま(あんこ入り)」「ずんだ」「きなこ(あんこ入り)」の4種の味が楽しめる「ミニおはぎ詰合せ(7個)」なども販売していた。
「自社製ローストビーフ」は「特大」サイズも展開
ガラス越しに調理スペースを見渡せる壁面の売場では、人気の「自社製ローストビーフ」を使用した総菜をコーナー展開している。
取材時は「ローストビーフ丼」(458円)、「ローストビーフ寿司10貫」(550円)など、定番の商品をラインアップ。「炭火焼ローストビーフスライス」では「小」「中」「大」サイズのほか、「特大」サイズ(1451円)も品揃えする。
生鮮4部門が部門横断で取り組む「365×3サラダライフ」のコーナーでは、「えびとブロッコリーのこく旨タルタルシーザーサラダ」(398円)、「トマトたっぷりフレッシュサラダ(大)」(498円)など、新鮮な生鮮素材を使用したサラダを販売する。そのほか、「トロピカルフルーツのヨーグルトアサイーボウル」(398円)を新たに投入している。
地元の醤油を使った焼き鮭をおにぎりの具材にも使用
鮮魚部門の魚総菜は他店同様に「魚菜(うおさい)屋」の屋号で展開。阿賀野店からの新商品として、店内でも販売する地元・阿賀野市の醤油メーカー「コトヨ醤油」の「和院」を使用した「骨取り銀鮭の和院醤油焼き」(100g358円)を売り込む。
さらに、同商品を具材として使った店内製造のおにぎり「銀鮭焼漬け」(398円)も販売。「地元の味」をお客に訴求する。
肉総菜「MeatDeli」では、「鶏ももまるごと黒胡椒焼き」(353円)、「桜島鶏レバー煮込み」(338円)など定番アイテムのほか、新機軸のメニューとして、味付け肉と野菜を挟んだ「トルティーヤサンド(アメリカンソース)」(398円)も提案する。
以上の取り組みにより、阿賀野店は総菜の売上高構成比12%をめざす。