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専門卸発のフローズン専門店「FROZEN JOE’S」2号店に見る、冷凍食品最新トレンド

冷凍食品卸のアイスコ(神奈川県/相原貴久社長)は9月28日、冷凍食品専門店「FROZEN JOE’S(フローズンジョーズ)」の2号店「FROZEN JOE’Sジョイナステラス二俣川店」(神奈川県横浜市:以下、ジョイナステラス二俣川店)を開業した。若い世代が多く利用する商業施設内への出店で、1号店から進化した売場づくりを行っている。

9月28日にオープンした「FROZEN JOE’Sジョイナステラス二俣川店」

若い世代が集まる
商業施設へ出店

 「FROZEN JOE’S」の2号店は、相鉄本線「二俣川」駅に直結し今回増館した商業施設「ジョイナステラス二俣川」内に入居する。

 22年12月に開業した第1号店「元住吉ブレーメン通り店」(神奈川県川崎市)は、東急東横線「元住吉」駅西口から広がる地元に根付いた商店街沿いに出店し、幅広い層・世帯を対象に、新業態の売場づくりや品揃えを検証した。結果、想定どおりの利用と多くの知見やデータが得られたことから2号店を開業。今回は1日の平均乗降客数が7万人近くにも上る「二俣川」駅に入り、若い世代を中心に利用されている商業施設内へ出店している。

 アイスコは、70年以上にわたってアイスクリーム・冷凍食品の専門卸売業を展開する“フローズンのスペシャリスト”だ。物流センターやトラックも自社で保有し、配送の9割超を自社の従業員が担う自前の冷凍物流網を構築。長年かけて構築してきた全国各地のサプライヤーとのネットワークにより、あらゆる冷凍食品を調達できる。また、神奈川県内で食品スーパー「スーパー生鮮館TAIGA」を8店舗展開し、食品小売業での実績やノウハウも蓄積している。

潜在ニーズの高い
商品をセレクトし差別化

「FROZEN JOE’S」は、他店ではほとんど扱われていないが、潜在ニーズの高い商品をセレクトし品揃えすることで、差別化を図る

 そんなアイスコが自社の持つ強みを集結し、立ち上げたのが冷凍食品専門店「FROZEN JOE’S」だ。ストアコンセプトは「フローズンのスペシャリストが手がける冷凍専門店」。最大の特徴は、食品スーパーやドラッグストアで量販されているナショナルブランド商品はほとんど扱わず、他店では見かけない冷凍食品を全国各地から取り揃えている点だ。
 
 冷凍食品ニーズの高まりを背景に、昨今、冷凍食品専門店の開発が進んでいる。そうしたなか同社専務取締役の三國慎氏は「当社は冷凍食品の専門卸であり、品揃えはいくらでも広げられる。しかしそうではなく、他店ではまだほとんど扱いがなく、でも潜在ニーズの高い商品を選び抜いて提案するセレクトショップという点で差別化を図っていきたい」と述べている

常温やチルド商品も
扱い入店を促す

 では、2号店の「ジョイナステラス二俣川店」ではどのような店づくりをしているのか。店舗面積は1号店の約1.6倍の約40坪で、品揃えは同約1.8倍の約780品目と充実させている。

 品揃えの内訳は、冷凍品が600品目、冷蔵品が120品目、常温品が60品目。1号店では、冷蔵品を扱っていなかったが、若い女性の利用も多い立地であることから、話題性や新規性のあるチルド飲料を売場導入部に設置している。

「FROZEN JOE’S」は、他店ではほとんど扱われていないが、潜在ニーズの高い商品をセレクトし品揃えすることで、差別化を図る

 また、店舗ブランドのロゴのカラーには1号店よりも柔和な青色を使い、女性客や子供連れでお客が居心地よく感じられる雰囲気を追求した。今後、商業施設内に出店する店はこのカラーを採用していくという。

外食メニューと
ご当地グルメが人気

 2号店では、1号店で見えてきた消費傾向や、得られた成果を売場づくりに反映している。

 とくに1号店では、外食メニューとご当地グルメのニーズが想定以上にあったという。この傾向を受けて2号店では、外食メニューとご当地グルメの商品を拡充。なかでもご当地グルメは、各地のユニークな商品が多く見られ、冷凍食品専門卸だからこその仕入れ力を感じる。

外食グルメコーナー
ご当地グルメコーナー
静岡県で展開するローカルスーパーのプライベートブランド商品も扱う

人気商品から見える
消費トレンドは…?

 また売場では、1号店での販売動向をもとに人気商品をランキングし、売場でPOPを使って訴求している。上位3つを紹介すると、1位は、名古屋の人気ピッツェリア「チェザリ」の冷凍ピザ「匠ピッツァマルゲリータ」(1150円:税抜、以下同)、2位はニッスイの「紅ずわいがにのドリア」(288円)、3位は、福岡発のラーメン店「博多一風堂」の「博多一風堂ひとくち餃子」(348円)だ。

 上位商品を見ると、各地で愛される人気専門店の味や、大手メーカーの商品でも一般のスーパーでは見かけない珍しい商品が支持を得ているようだ。

1位の「匠ピッツァマルゲリータ」(1150円)
2位のニッスイの「紅ずわいがにのドリア」(288円)
3位の「博多一風堂ひとくち餃子」(348円)

健康志向の商品を拡充
小売店初導入の商品も

 加えて2号店では、時代のニーズに即した商品として、健康志向に対応した商品にも力を入れている。合成着色料や保存料などの添加物を使っていないものや、栄養バランスがとれた商品などを充実させた。なかでも注目の商品として、SNSで若い女性のあいだで話題を集めている、冷凍のヘルシーミールサービス「GREEN SPOON」の商品を、小売店で初めて導入している。

冷凍のヘルシーミールサービス「GREEN SPOON」の商品を小売店で初めて導入している

 そのほか1号店では、冷凍食品も消費トレンドが短い期間で変化する傾向も見えてきた。これに対応するべく、機動力のある自前の物流を生かし、日々品揃えを変更するほか、催事コーナーも設置して季節商材も提案し、来店するたびに発見があり定期的に来店したくなる店づくりをめざしている。
 

ショッピングモールに
3号店を出店へ

 これらの店づくりによってジョイナステラス二俣川店は支持獲得をめざす。「FROZEN JOE’S」は1号店ともに売上高実績や目標売上高を公表していないが、店舗面積に比例し1号店の1.6倍の売上獲得をめざす。

 今後の出店については、次なる3号店は、時期は明らかにしていないが、神奈川県内のショッピングモール内への出店を計画する。異なる立地で出店することで、需要を検証し、慎重に出店を重ねていきたい考えだ。

 アイスコの相原貴久社長は「冷凍食品卸である当社では『FROZEN JOE’S』で検証した売場づくりや販売データを取引先であるメーカーや小売企業に共有し、冷凍市場全体の成長につなげていきたい」と語っている。実際に1号店の売場づくりを見て、新規コーナーやカテゴリーの導入を決めた小売企業が数多くあるという。

 このように、潜在ニーズを開拓し、冷凍食品市場全体の拡大をめざすアイスコの冷凍食品専門店「FROZEN JOE’S」。同店からは、これからの売場づくりや品揃えのヒントがきっと得られるはずだ。