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栃木県に初出店!コストコ壬生倉庫店の売場を解説

会員制倉庫型店舗のコストコホールセールジャパン(神奈川県、以下:コストコ)は、6月23日、栃木県に初出店となる「コストコ壬生倉庫店」をオープンした。これにより、日本国内のコストコの総倉庫店舗数は31店となった。

国内31カ所体制! 福島県も商圏に

栃木県下都賀郡壬生町に出店した、コストコ壬生倉庫店。コストコ日本支社長のケン・テリオ氏は「栃木県に倉庫店をオープンするにあたって、数年前から壬生町に足を運んできた。素晴らしい土地に出店できたのは喜ばしい」と話す。

店内を案内するコストコホールセールジャパンのケン・テリオ社長

コストコは日本全国にコストコ壬生倉庫店を含めて31カ所ある。同店の出店前には関東地方1都6県には栃木県を除いてすべての地域に倉庫店を構えていた。コストコ広報担当者は、壬生町に出店した理由を「栃木県にお住まいの会員さまのリクエストをいただいていたから」と説明する。

コストコ壬生倉庫店が商圏とするのは、クルマで約1時間から2時間の距離だ(半径100200km程度)。これまで栃木県に住むお客は、茨城県の「コストコつくば倉庫店」や「コストコひたちなか倉庫店」、群馬県の「コストコ前橋倉庫店」、埼玉県の「コストコ新三郷倉庫店」などで買物をしていたという。

「栃木県に初出店できて、とても興奮している。栃木県にお住まいの方はもちろん、福島県在住(県南部の棚倉町、白河市など)のお客さまにも来ていただけるのではないかと思っている」(ケン・テリオ氏) 

コストコが出店条件として掲げる要素に、「企業が多い地域」がある。壬生町内には「ファナック」や「旭化成カラーテック」など製造業の工場があり、出店条件にマッチしたエリアだと言える。同社の出店条件にはほかにも、「高所得層マーケット」「車のアクセスが良い物件」「半径10kmの人口が50万人以上」などがある。つまり、その土地に企業が多ければそれほど商圏内人口が多いことにつながり、物流網が構築されている可能性が高いので、出店可能性が高まるのだ。

商圏内に住む人にとってコストコ壬生倉庫店に対する期待は大きく、623日のオープン前の事前会員登録には長蛇の列ができていた。ケン・テリオ氏も「数値は明らかにできないが、(オープン前に)我々が目標にしていた事前会員登録者数を既に超えた」と話す。

事前会員登録に並ぶ人々

また、コストコ壬生倉庫店のオープンにあたっては、地元壬生町の住民約300人を雇用したという。

コストコ壬生倉庫店のアイテム数は約3600で、売場面積は1504㎡。アイテム数、売場面積ともにコストコとしては平均的なサイズだ。コストコの特徴は、アイテム数を厳選し、大容量・低価格で大量に販売することにある。会員制という基盤を持つからこそ低価格を実現でき、メーカーにとっても1アイテムあたりの売上が高いことで納品する魅力があるビジネスモデルを実現しているのだ。

コストコ壬生倉庫店の売場に潜入!

入口を入ると、家電やジュエリー、調理器具などが販売される非食品売場が並ぶ。

「TOMSレーシングシミュレーター」など、コストコ壬生倉庫店出店を機に導入する商品も陳列していた。

奥に進むと、衣料品やゴルフクラブなどのスポーツ用品を販売する非食品売場、右手には食用油や菓子を展開する加工食品売場が並ぶ。「日光金谷ホテル」のクッキーなど、地元の商品も展開していた。

左手には季節商品が見える。現在は、家具やサウナ用品などが置かれていたが、8月からはクリスマス商品を売り出すという。これは、コストコの「アーリーイン・アーリーアウト(Early in Early Out)」という考え方を元にしていて、実際の季節よりも先行して商品を売り出すことで、季節商品の売り逃しをなくすための取り組みだ。

さらに奥に入ると、ワイン売場、酒類売場がならぶ。店舗最奥部には、生鮮、総菜売場、ベーカリーがある。

取材日はオープン前であったため、生鮮品は陳列されていなかった

バックヤードでは、ベーカリー、生鮮、総菜の作業場がつながっていて、冷蔵・冷凍ケースから素材を取り出し、調理する仕組みが構築されている。また、総菜の作業場では、寿司の自動握り機を導入。「これまでは、ワサビを人の手で注入する必要があったが、特注の機械を導入したことにより、全自動で調理ができるようになった」(ケン・テリオ氏)

コストコ壬生倉庫店の年商目標は未公表。コストコは2030年までに日本国内に60カ所体制を目標にしている。今後の出店計画にも注目だ。